笑福亭笑瓶さん 急性大動脈解離で死去 15年にも発症し回復するも…66歳突然の別れ

[ 2023年2月23日 05:10 ]

急死した笑福亭笑瓶さん
Photo By 提供写真

 黄色い縁の眼鏡がトレードマークだったタレントの笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい、本名渡士洋=とし・ひろし)さんが22日午前、急性大動脈解離のため死去した。66歳。大阪府出身。通夜は26日、葬儀・告別式は27日、いずれも東京・築地本願寺で営まれる。喪主は妻渡士智子(とし・さとこ)さん。16日も番組収録に参加するなど元気な姿を見せていただけに、芸能界に衝撃が走った。

 関係者によると、笑瓶さんは21日午前に自宅で倒れた。すぐに救急搬送され、大動脈解離と診断された。懸命の治療を受けたものの、状況は好転せず。22日午前に家族に見守られながら、静かに息を引き取った。2015年12月にも同じ大動脈解離を発症し回復しているが、関係者は「15年は背中に近い部分だったが、今回はより心臓に近かったため治療が難しかったようだ」と話している。

 病院には師匠の笑福亭鶴瓶(71)の姿もあった。最初の弟子に先立たれ憔悴(しょうすい)しきっているが、この日夜に「信頼のおける親友のようでした」とコメントを発表した。遺体は22日中に病院から別の場所に移され、関係者が弔問に訪れた。

 約7年前に大動脈解離を発症し約3週間入院。千葉県内でゴルフをプレー中に背中に経験したことのない激痛が走った。ドクターヘリで緊急搬送され、一命を取り留めた。

 この経験から、その後は健康に人一倍気を使うようになった。若い頃は1日3、4箱吸っていたタバコをやめ、週に数回のウオーキングを開始。糖尿病にもなったため、糖分を多く含む白米など炭水化物をできるだけ控える食生活に切り替えていた。仕事場でも健康について話すことが多かったという。

 最近も元気な姿を見せており、16日にはレギュラー出演するBS―TBS「噂の!東京マガジン」の収録に参加。同局関係者は「普段とお変わりがなく、共演者の方と楽しそうにトークをされていた。終了後も“じゃあね”とお帰りになった」と明かし「収録は隔週で行っており、当たり前のようにまたお会いできると思っていたので本当に残念です」と肩を落とした。最後のテレビ出演は12日放送の同番組となった。

 大阪芸大卒業後の80年、鶴瓶に弟子入り。バラエティー番組「突然ガバチョ!」などに出演し、関西で活躍した後、東京に進出。「ものまね王座決定戦」で披露したアニメ「魔法使いサリー」のよし子ちゃんのものまねなどで人気となり、多彩なものまねレパートリーで知られた。また、医薬品「コンタック」のCMでは、カプセル形のキャラクター「ミスターコンタック」の声でも愛された。

 ≪新年会では仲間の健康気遣う≫笑瓶さんは今月10日に知人らによる新年会で元気な様子を見せていた。落語家の桂雀々(62)ら10人ほどのメンバーで開催。35年の付き合いがある放送作家の東野博昭氏(63)によると、体調は良さそうで、健康面の不安を漏らす仲間の相談に乗っていた。帰り際に「絶対、検査行っときや!じゃあね」と東野氏にアドバイスを送ったのが最後になったという。突然の別れに東野氏は「いつも笑顔で憎めないキャラだった。オレは落語ではなく、ピン芸人でやるという気概が感じられる人だった」としのんだ。

 笑福亭 笑瓶(しょうふくてい・しょうへい、本名渡士洋=とし・ひろし)1956年(昭31)11月7日生まれ、大阪府出身。大阪芸大卒。笑福亭鶴瓶のラジオ番組でのトークに魅了され弟子入り。鶴瓶がMCの「突然ガバチョ!」(毎日放送)で人気に。上京後は日本テレビ「鶴ちゃんのプッツン5」などで活躍した。21年後期のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に映画館の館主役で出演。

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