広島4位転落 佐々岡監督「9連戦の頭」慎重継投策が裏目 2番手・藤井&3番手・ケムナで計4失点

[ 2022年7月13日 04:45 ]

セ・リーグ   広島4-7DeNA ( 2022年7月12日    マツダ )

<広・D>7回無死、嶺井にソロ本塁打を打たれた藤井 (撮影・奥 調)
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 広島は12日のDeNA戦で7失点して2連敗となり、6月20日以来の4位に転落した。9連戦の初戦を託された九里亜蓮投手(30)が5回3失点で降板して6敗目を喫し、2番手・藤井黎来投手(22)が2イニング目に被弾するなど救援陣も計4失点。継投策が裏目に出る形となり、5回以降に4得点した反撃も及ばなかった。

 九里の早期降板、救援陣の選択――。勝敗の分かれ目には、連戦のやりくりの難しさがあった。佐々岡監督は「9連戦の頭だったので…」と何度も繰り返しながら唇をかんだ。

 9連戦の初戦は、救援を1人でも多く温存させるのが理想。しかし、先発の九里が初回に適時打2本で先制されると、3回は先頭・蝦名の死球から牧の適時打につながった。3回までに6安打3失点と本調子ではないことは明らか。加えて、指揮官が「9連戦だから」と言及したように、次回登板が中5日となることも想定した上で、5回70球での早めの降板となった。

 九里が交代した5回終了時点で1―3と2点劣勢だった。諦める点差ではないとはいえ、勝ちパターンに近い投手の大量投入を避けたいのも本音。「9連戦の初戦は、ビハインドの投手がそういった場面を抑えていかないといけない」と3番・佐野から始まる6回を今季5試合目の藤井に託した。6回を無失点に抑えると回またぎの準備へ。直後の攻撃で1点差に迫っても、予定通り2イニング目となる7回を託したが、嶺井にソロ本塁打を被弾。2点差に広げられ、反撃への勢いはしぼんだ。

 9連戦を見据えたやりくりは、目先の1勝という点では奏功しなかった。ブルペンには勝ちパターン以外に矢崎やターリーらが控えていながら、藤井を投入したのは「そういうところで、しっかりと投げて成長しつつある」と判断したから。5試合目での今季初失点を責めず、今後の成長の糧とすることに期待した。

 今季同一リーグで3点差以上の逆転勝利がないのは広島のみ。指揮官は「打ってつないでいくしかないという展開で、つながっていないのは現実」とかみ合わない投打に頭を悩ませた。劣勢で漂う停滞感を跳ね返せれば、4位転落からの再浮上は見えてくる。(河合 洋介)

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2022年7月13日のニュース