大坂なおみ「四大大会で家族席にずっと座っていたのは初めて」父・フランソワさんの“ゲン担ぎ”に笑顔

[ 2020年1月20日 13:52 ]

ポイントを奪い、吠える大坂(AP)
Photo By AP

 テニス4大大会初戦の全豪オープンが20日、メルボルンで開幕した。女子シングルスで2連覇に挑む世界ランキング4位の大坂なおみ(22=日清食品)は1回戦で世界59位のマリエ・ブズコバ(21=チェコ)に6―2、6―4でストレート勝ちした。2回戦は世界42位の鄭サイサイ(25=中国)と対戦する。

 勝利の瞬間、家族席に陣取っていた父・フランソワさんが誰よりも早く立ち上がり、喜びを爆発させた。対照的にコート上の大坂は軽く拳を握っただけ。初対戦となるブズコバに1時間20分で快勝し「本当にタフな試合だった。いつも1回戦はナーバスになるが、落ち着いて勝てて良かった」と笑顔を見せた。前年覇者の初戦敗退は03年のカプリアティ(米国)の1度だけ。開幕日のセンターコート第1試合に組まれた注目の一戦で、重圧に打ち勝った。

 過去の4大大会でフランソワさんは緊張の余り、娘の試合を家族席に座り続けて見届けることができなかった。だが、自らコーチを務めた昨年の東レ・パンパシフィック・オープン、中国オープンで優勝したことで、験担ぎ。大坂は「父は験を担ぐ。グランドスラムで家族席にずっと座っていたのは初めて」と笑った。

 7本のエースを記録したサーブが冴えた。圧巻は第2セット第2ゲーム。15―40でブレークポイントを握られたが、時速189キロ、179キロの連続サービスエースで窮地を脱した。次の第1サーブはネットにかかり、球の威力で網を固定していた紐が切れるアクシデントが発生。修復のために一時試合が中断する珍事が起きた。積極的に攻撃を仕掛ける新スタイルを模索しており、凡ミスは相手の2倍以上の28回。攻め急いでリズムに乗れない場面もあったが、武器のサーブでカバーした。

 テニスバックにはメモを忍ばせていた。試合開始の約2時間前。試合コートでの最終調整を終えると、12月から契約するベルギー人のウィム・フィセッテ・コーチ(39)とコート脇のベンチで約5分間話し込み、試合のキーポイントが記された紙を手渡された。「試合中にキーポイントを思い出すのが難しいので、重要なことを書いてほしいと頼んだ」。第2セット途中にメモを確認し、ストレート勝ちにつなげた。

続きを表示

この記事のフォト

2020年1月20日のニュース