チーフスが“半世紀”ぶりにスーパーボウルに進出 QBマホームズが本領を発揮 タイタンズに逆転勝ち

[ 2020年1月20日 07:56 ]

AFC優勝トロフィーを掲げるチーフスのQBマホームズ(AP)
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 NFLのプレーオフ、アメリカン・カンファレンス(AFC)の決勝が19日、氷点下8・3度まで冷え込んだミズーリ州カンザスシティーで行われ、第2シードで地元のチーフスが35―24(前半21―17)で、第6シードから勝ち上がってきたタイタンズを撃破。第1Q序盤で0―10とされたが、QBパトリック・マホームズ(24)がパスで3つ、ランで1つのTDを奪って流れを変え、1970年の第4回大会以来、50年ぶり通算3回目のスーパーボウル進出を果たした。

 チーフスはAFC準決勝のテキサンズ戦でも0―24から連続41点を奪って逆転勝ち。昨季の決勝ではペイトリオッツに延長の末に31―37で敗れたが、今季は粘り強い戦い方を見せ、7―17から連続28点を奪ってAFCを制した。タイタンズとは昨年11月10日に対戦して32―35で敗れていたが、そのとき188ヤードと2TDを許した今季のリーディング・ラッシャーでタイタンズ躍進の原動力となっていたRBデリック・ヘンリー(26)を、今季のラン・ディフェンスでリーグ26位と低迷していた守備陣が69ヤード(キャリー19回)に抑え込んで勝利をものにした。

 チーフスで7季目を迎えたアンディー・リード監督(61)にとっては、イーグルス時代の2005年以来、15年ぶりとなるカンファレンス制覇。“名将”にとっては長いトンネルを抜け出た一戦となった。

 日本のプロ野球、横浜に1997年と98年の2シーズンに投手として在籍し、21試合で3勝8敗という成績を残したパット・マホームズ氏(49)を父に持つQBパトリック・マホームズ(24)はオフェンスでチームをけん引。パスでは35回中23回を成功させて294ヤード、ランでは6回のキャリーで56ヤードを稼ぐなど、昨季のシーズンMVPらしい活躍を見せた。まだ3季目の若手QBだが、プレーオフでの計4試合で142回のパスを投げながらまだインターセプトはなし。決勝の前半では40ヤードを4秒29でカバーする快足WR、タイリーク・ヒル(25)に8ヤードと20ヤードのTDパスを通し、28―17で迎えた第4Qの7分16秒にはWRサミー・ワトキンス(26)に60ヤードのTDパスを成功させてとどめを刺した。第54回スーパーボウルは2月2日にフロリダ州マイアミガーデンズの「ハードロック・スタジアム」で開催。マホームズは世界注目の大舞台でもスポットライトを浴びることになるだろう。

 今季9勝7敗で第6シードからはい上がってきたタイタンズも健闘。1回戦と準決勝でパス獲得が計160ヤードに終わっていたQBライアン・タネヒル(31)はこの日、209ヤードと2TDをパスで獲得。第2Qの8分21秒には本来オフェンスタックル(OT)ながらタイトエンド(TE)ポジションに入っていた203センチ、146キロのデニス・ケリー(30)に1ヤードのTDパスを通してこの試合2度目となる10点のリードを奪った。しかし後半は大事な場面でサックを浴びるなど、試合の流れを変えることはできなかった。第4Q11分42秒、TEのアンソニー・ファークサー(24)に22ヤードのTDパスを成功させて11点差としたが反撃もここまで。2000年以来、20年ぶり2度目のスーパーボウル進出はならなかった。

 レギュラーシーズン最終戦からAFC準決勝までの3試合で211ヤード→182ヤード→195ヤードと爆発的な快走を見せてきたヘンリーは第1Qの9分8秒、QBをセットしない「ワイルドキャット・オフェンス」から8ヤードを突破してエンドゾーンに飛び込んだが見せ場はこれだけ。追う展開になったことでオフェンスがパス中心となり、後半は191センチ、112キロのサイズを生かしたパワフルなランプレーは激減した。

 なおチーフスはこのあとカリフォルニア州サンタクララで行われるNFC決勝(49ers対パッカーズ)の勝者とスーパーボウルで対戦する。

 

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