炎鵬、「雲の上の存在」遠藤撃破!西南部中、金沢学院東高の大先輩と初顔合わせ

[ 2020年1月20日 05:30 ]

大相撲初場所8日目 ( 2020年1月19日    両国国技館 )

遠藤(右)の攻めをしのいで体を入れ替える炎鵬(撮影・西海健太郎)
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 小兵の平幕・炎鵬が1敗の遠藤を押し出し、星を五分に戻した。遠藤は石川県金沢市の中学、高校の先輩。初顔合わせで「雲の上の存在」を撃破し、入幕以来の夢をかなえた。きょう9日目は初の大関戦となる豪栄道に挑む。1敗は貴景勝、正代、徳勝龍の3人となり、遠藤ら4人の2敗勢が追う展開となっている。

 懸賞金を受け取る炎鵬の背は丸まり、荒い息を繰り返した。満員御礼の場内から、歓声が降り注ぐ土俵上。「無心で、いい意味で集中できていた。夢みたいでした。無我夢中であまり覚えてないです」と振り返った。

 つかず離れず、土俵を丸く使いながら勝機をうかがった。差し手を払い、右まわしを探る相手の動きにも俊敏に対応した。土俵際へ詰まること2度。体勢を入れ替え、窮地を脱するとギアを上げた。遠藤の胸に全身を預けるようにこん身の力で突き、押し出した。

 5歳で相撲を始めた炎鵬は小1から遠藤を知っていたという。4歳年上の遠藤は石川県穴水町の中学に相撲ができる環境がなかったため、金沢市立西南部中に入学。「凄い人が金沢に来た」と聞かされた炎鵬は後を追うように同中へ進み、金沢学院東高(現金沢学院高)へ進学した遠藤と初めて話をした。

 「そのときから雲の上の存在だった」。12年には日大4年だった遠藤が世界選手権に出場し、高3だった炎鵬は同じ会場で行われた世界ジュニアに出場。遠藤が準備運動をする際、炎鵬が突っ張りを受ける相手を務めた思い出もある。

 初対戦となったこの日は「ねじ込まれるというか、普通の人と違う感覚」という突っ張りを何度も浴び、取組後はアイシングを手放せなかった。今場所の相撲を一番も見ておらず「研究してもうまくいくわけない」と無心でつかんだ殊勲星。きょう9日目は初の大関戦。「毎日チャレンジャーの気持ちで思い切りぶつかります」。同郷の先輩を撃破した幕内最軽量99キロに、勢いが出てきた。

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