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目が飛び出るウマさ深海五目

[ 2020年4月6日 07:21 ]

船内で唯一の本命、メダイを釣った伊藤さん
Photo By スポニチ

 【一釣一品 食べま専科】深海五目を食す。訳アリでね。このご時世じゃ1人でも出掛けられるアウトドアの方がまだ安全かもね。で、西へ下ってメダイが調子いい平塚・庄三郎丸へ。(スポニチAPC・町田 孟)

 コロナ禍は船宿にも忍び寄っているようだ。「仕立て船は何件かキャンセルが」。後藤久船長=写真=はちょっと顔をしかめた。ただライブハウスなどとは違って乗り合いには御法度の「三つの密」がない。青天井、席も2メートル以上離れて座れる。大声で話さなくて済む。とりあえず心を落ち着けて250メートルほど糸を出そうか。

 「美人は3日で飽きる」ってその昔ネオン街の達人に聞いたことがある。それに比べてどんぐり眼で鼻もおへちゃ。でも愛嬌(あいきょう)たっぷり。合コンなどでは座持ちが良くて気になる娘っているでしょ?メダイはそんなタイプかな。アプローチしたけれどフラれちゃった、あの頃と同じ思いなんだ今は。うん、オデコね。

 【釣戦】メダイには向いていない潮だった。後藤船長が嘆く。「澄んじゃって昨日とは大違い」。迷惑なサバ襲来もなく、たまに程度。延々と深海に挑んで“西川きよしさん”パレード。シロムツ、ユメカサゴ、クロムツ、沖ギス。みんな目ん玉むいて上がってくるんだもの。本命は船中やっと1匹。肩を落としつつ、海というか自然を改めて感じさせられた。
 たまたま乗り合わせた我がアドバイザーの林悠二APCもお手上げ状態。「明る過ぎるよ、海が」。諦めているかと思ったら、さすが。終了まで30分のアナウンスを聞いた途端、キンメのダブル、トリプルと連発。満足いかない小型外道だけれど帳尻を合わせた。

 【クッキング】揚げちゃおう!ヤケというか、もうこれしかありません。サバも加えて、それぞれを下処理したら塩少々した後、ショウガ汁、酒を振り掛ける。衣は小麦粉、片栗粉半々にカレー粉をそこそこ混ぜ、水で溶く。一口大に切った材料に衣をつけて180度の油の中へ。串に刺して演出するのも小さな楽しみになる。ソースはオーロラ、タルタルなど工夫して。もちろんパン粉でフライ、あん掛けにしてもOKだ。
 魚には目がない家人。「わーっ見たことないのばっかり。どれがおいしいかなー」。珍魚に目を丸くしながらも食い意地は衰えませんな。

 ○…一番不運はメダイ。そして幸せ者が伊藤達雄さん(51=八王子市)だ。「230メートルで放置しておいたら食っていました。釣ったというより釣れた、ですね」と謙遜。船歴は4年ほど。今年は「4回目のメダイ。前3回とも4匹でした」。自営業で数が出た時には「スタッフに配りますが今日は…」。独身なので調理も自分でする。一人飯の夜ご飯は、苦笑いしつつ「ムニエルとかですかね」。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、平塚・庄三郎丸=(電)0463(21)1012。午前6時半出船。乗合料金1万500円(餌のサバ切り身付き)。

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