【コラム】西部謙司

アギーレ監督交代なら、後任は誰か

[ 2014年12月8日 05:30 ]

八百長疑惑に絡み、監督交代の可能性も出てきた日本代表アギーレ監督
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 スペインリーグでの買収疑惑で有罪判決が出れば、アギーレ監督は「解任確定」という報道が出ている。有罪となれば監督資格停止などの処分が予想されるからだが、控訴はできないのだろうか。係争中なら処分が下されることはないと思うのだが。

 ただ、その場合でもグレーゾーンではあるわけで、Jリーグの潔癖症的な不祥事への対応をみるかぎり、協会もアギーレ監督をかばいきれるかどうかは疑問がわいてくる。また裁判等で監督業務へ大きな支障が出てくることも予想される。そうなったときは監督交代に踏み切るしかない。

 では、新監督には誰がいいのか。というより、どういう選択肢があるのか。

 これまでは外国人監督が既定路線だった。W杯やヨーロッパ、南米のクラブで実績のある人物を優先するなら外国人しか選択肢はなかったし、W杯直後はJリーグのシーズン中なので現職の監督をJクラブから引き抜くことはできず、その点でも外国人監督のほうが有力だった。

 だが、いまの時期ならばむしろ国内のほうが選択肢はある。ヨーロッパでも解任されてフリーになっている有名監督はちらほらいるものの、まもなくオフになる国内のほうが交渉はしやすい。柏レイソルの退団が決まっているネルシーニョ監督は有力な候補だろう。複数年契約の監督は多くないので、候補者の選択肢はかなり広くなるはずだ。

 このタイミングならザッケローニ前監督という手もある。アジアカップ限定のケアテイカーなら、代表選手を熟知している点で最適だからだ。先だってのホンジュラス、オーストラリア戦のメンバーは“ほぼザック・ジャパン”だった。アジアカップを乗り切るのにとくに支障があるとは思えない。

 そもそもW杯終了から約半年後にアジアカップという日程の中で、監督を交代させなくてもよかったのかもしれない。

 W杯ブラジル大会でベスト16に入れなかったといっても、それまでの4年間を全うした監督なのだから良いところもあったわけだ。弱点についても最もよくわかっているはず。W杯で区切りをつけると、だいたい前監督の路線は継承されないばかりか、なかったことのようになっていた。その時期に外国人監督を選定するとなると、じっくりW杯の総括などしている時間的な余裕はない。新監督を迎えて、それまでの強化プランはとりあえずご破算に。それなら総括してもあまり意味がないわけだ。

 アギーレ監督の一件がどうなるかはわからないが、代表監督の選定と強化プランの在り方を問い直す良い機会なのかもしれない。(西部謙司=スポーツライター)

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