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【コラム】西部謙司

グアテマラ、ガーナ戦の見どころ

[ 2013年8月30日 06:00 ]

 コンフェデレーションズカップの3試合とウルグアイ戦、この計4試合はいわゆる強豪国との対戦だった。結果は4戦全敗で失点の多さが明確な課題として残っている。ただ、来年のW杯で日本が対戦するのはこのレベルの強豪国ばかりではない。

 グループリーグの3試合のうち1試合はほぼ間違いなく強豪と当たる。前回大会ならオランダ、前々回ならブラジルが日本と同グループだった。グループリーグを勝ち抜いてノックアウトラウンドに入れば、このクラスの相手との対戦になる確率が高い。前回はパラグアイとの対戦だったが、ブラジルやイタリア、ドイツなどと対戦する可能性のほうが高いだろう。ベスト8を目指すなら、強豪国を倒せる力が必要になる。しかし、ベスト16までなら強豪に勝たなくても進める。前回もオランダには負けたがグループリーグは突破できた。

 グループリーグで当たるのは、強豪以外では欧州の中堅国と中南米アフリカのどこかと予想できる。運悪く“死のグループ”に入れられてしまうかもしれないが、運が良ければ強豪以外に勝てればいいわけだ。その点で、グアテマラ戦とガーナ戦はこれまでの対強豪4戦とは意味合いが違ってくる。

 この2チームに確実に勝てるかどうかは、日本のベスト16進出をはかるモノサシになるわけだ。グアテマラには勝利が必須だ。本大会ならガーナと引き分けでも良しとしなければならないが、ホームに迎えての親善試合なら勝利か勝ちに近い引き分けが必要だろう。

 現状のままで強豪国に勝てないことは4試合でよくわかった。来年までに何らかの対策が必要だ。ただし、グアテマラとガーナに対しては従来の方針のままプレーして勝つことが要求される。ここでつまづくようだと根本的な見直しをかけるほかないわけだが、まずそこまでには至らないと思う。

 しかし、懸念されるのはやはり守備だ。監督も選手も「さすがに強豪はミスを見逃してくれない」と言っていたが、ウルグアイ戦は日本のミスを意図的に利用されたわけではない。本当ならオフサイドになるはずのものが、オフサイドになっていないという初歩的なミスなのだ。あえて言えば、真っ直ぐ並べなかっただけ。ウルグアイのフィニッシュが良かったのは確かだが相手はあまり関係ない。ラインが不揃いなら相手がグアテマラでもガーナでも同じようにピンチになる。そういう不具合で失点したとしても、それを上回る得点をとって勝てるかどうか。そこを注目してみたい。(西部謙司=スポーツライター)

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