「鎌倉殿の13人」小池栄子“新政子像”に自信!10年後も残れるか 見据える役者道「ニュー小池栄子」へ

[ 2022年11月24日 11:00 ]

「鎌倉殿の13人」北条政子役・小池栄子インタビュー(下)

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を牽引してきた北条政子役の小池栄子(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)も残り4回。いよいよ物語は“最終決戦”「承久の乱」(1221年、承久3年)へと向かう。初回(1月9日)から登場し続け、小栗と共にドラマを牽引してきたのが女優の小池栄子(42)。“稀代の悪女”と呼ばれる従来のイメージとは一線を画す“新しい北条政子像”を脚本の三谷幸喜氏(61)から託され、見事に体現。“キャリア最高”の反響は「凄く励みになりました」と感謝した。一方、「課題もいっぱい見つかりました」という今作を糧に「来年以降はニュー小池栄子をお見せできたら」と役者道を見据えた。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河出演8作目にして初主演に挑んだ。

 10月9日に放送されたトーク特番「鎌倉殿の13人 応援感謝!ウラ話トークSP~そしてクライマックスへ~」。歴史上“稀代の悪女”と呼ばれる北条政子について、三谷氏は「僕にはどうしても悪女に見えないんです。その都度その都度、彼女は必死だったし、母として妻としての選択をしていっただけであって、結果的に悪女の烙印を押されてしまったのかもしれないけども、僕には全然、彼女の中に悪の色は見えなかったんですよね」と説明。時にチャーミングな今作の政子像を創り上げた背景を明かした。

 同番組中、三谷氏は仕事人・善児役が反響を呼んだ、自身主宰「東京サンシャインボーイズ」(現在は充電期間中)の劇団員・梶原善について「善にプレッシャーを与える意味でも、これは代表作になるので頑張ってね、みたいな話をしました。そうしたら最近、彼は代表作になりましたと色々なところで言っているんですけど、本人が言うべきじゃない。もっと年を取ってから、あの時…と言うのはいいんですけど」とツッコミを入れ、笑いを誘った。

 小池は「三谷さんがそうおっしゃっていたので、私からは(自分の代表作になったと)何も言わないですけど(笑)。ただ、三谷さんのご希望通り、私も目標にしていた新しい政子像はお示しすることができたんじゃないかと自信を持って言えます」と胸を張った。

 街の人から「政子さま」「毎週見ています」などと声を掛けられたことも、大きな喜びだった。「ドラマもバラエティーもそうですけど、視聴者の皆さまがどういうふうに作品を楽しんでくださっているのか、私たちには伝わりにくい部分もあるんですよね。それが、実際に面と向かって応援の言葉を頂くと『ああ、来週も過酷なシーンだけど、頑張ろう。(声を掛けてくれた)あの人が見てくれているんだ』と、お顔を思い出すんですよね。今までで一番多いぐらいの反響を頂いたので、自分の役がちゃんと皆さまの心を揺さぶるものになって届いているんだと実感できて、凄く励みになりました」と謝意を表した。

 大河出演は、巴役を演じた05年「義経」以来17年ぶり2作目。手応えを感じる一方、「課題もいっぱい見つかりました。演出の方からたくさんダメ出しも頂いて、それが何かは恥ずかしくて言えませんけど(笑)。やっぱり気持ちだけでは残れない仕事なんだ、ということを痛感しました。とことん役を掘り下げて、練ってきた台詞回しだったり、仕草だったり。先輩方はもちろん、幅広い世代とジャンルの方と触れ合えるのが、大河のありがたさ。もっと勉強しないと、10年後に残っている役者にはなれないなと身に染みました。来年以降はどこかで見たような芝居じゃない、ニュー小池栄子をお見せできたら、とは思っています」。今作の経験を血肉に、さらなる進化を遂げる。

 =インタビューおわり=

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