「鎌倉殿の13人」小池栄子 撮了に涙…政子に愛着「もう1回最初から」最終回台本に放心状態「反応怖い」

[ 2022年11月24日 11:00 ]

「鎌倉殿の13人」北条政子役・小池栄子インタビュー(上)

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を牽引してきた北条政子役の小池栄子(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)も残り4回。いよいよ物語は“最終決戦”「承久の乱」(1221年、承久3年)へと向かう。初回(1月9日)から登場し続け、小栗と共にドラマを牽引してきたのが女優の小池栄子(42)。約1年5カ月にわたった長丁場の撮影を振り返り「もう1回、最初からやり直したいと思うぐらい、政子に魅了されました」と役に一際の愛着。注目の最終回(第48回、12月18日)については「どういうふうに視聴者の皆さまに受け止めていただけるのか、楽しみでもあり、不安でもあります」と率直に打ち明けた。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河出演8作目にして初主演に挑んだ。

 ドラマの撮影は昨年6月9日に始まり、小池も同日にクランクイン。全撮影は10月25日に終了した。

 クランクアップから約半月。小池は「自分が想像していたより、北条政子という人間を愛してしまって。もう政子になれないのが心から寂しくて、涙が出てしまいました。もう1回、最初からやり直したいと思うぐらい、政子に魅了された1年半。やり直しても、きっと同じようなお芝居をしているんでしょうけど、そのぐらい、まだ政子でいたかったという気持ちです」と胸中を明かした。

 「小栗さんが本当に温かい、心地よい現場をつくり上げてくださって。スタジオに通うのがもう生活の一部になっていましたから、仲間たちと離れないといけない寂しさもありました。作品は私たちの手元から離れてしまったので、あとは視聴者の皆さまに盛り上げていただきたいという思いでいっぱいです。ラストに向けて賛否が巻き起こるような流れになっていくと思いますから、どういうふうに皆さまに受け止めていただけるのか、楽しみでもあり、不安でもあります。そのぐらいの本を三谷さんが書き上げてくださいました」

 最終回は札幌・名古屋・京都・大分を結び、小栗や小池たちが鎌倉女子大学に集結してパブリックビューイングが行われる。

 「最終回の台本を頂いた時は衝撃のあまり言葉が出ず、放心状態になってしまいました。早く見ていただきたいんですけど、やっぱり皆さまの反応が怖いですね。それが(生の反応が分かる)パブリックビューイングじゃないですか。とても恐ろしいなと思っています(笑)」

 政子が源頼朝(大泉洋)に一目惚れしたことから、弟・義時は歴史の表舞台に駆り出された。米の勘定の方が向いていた伊豆の小豪族の次男坊から“漆黒の執権”へ。政子も悲喜こもごもの日々を義時と歩んできた。

 最も印象に残るシーンの1つとして、第22回「義時の生きる道」(6月5日)で最愛の妻・八重(新垣結衣)を亡くした義時を政子が訪ねる場面を挙げた。

 政子は「大っぴらに来ると、色々面倒でしょう」と侍女の格好。八重の遺志を受け継ぎ、孤児(みなしご)たちの面倒を見る義時と金剛(森優理斗)に餅を届けた。

 義時「子どもたちと接していると、自分が幼かった頃のことをやたら思い出すんです。姉上にはよく、首を締められてました」。

 政子「絞めてたわねえ」

 義時「あれはどうして」

 政子「分からないのよ。顔を見ると、なぜか、絞めたくなるの」

 政子は「くう~」と義時の首に手をやった。縁側の2人は笑顔。束の間、姉弟の時間が戻った。

 「今だって、2人でキャッキャしていたあの頃に戻りたいと思うぐらい、とても好きなシーンです。たぶん今慰めに行っても、義時からあの笑顔を引き出すことはできないんですよね。もう来るところまで来てしまいましたから。引き返すなら、あの頃がギリギリのラインだったかなと、普段ふとした時にも思い出すことが多いシーン。そのぐらい楽しかった時間だなと刻まれています」

 頼朝亡き後、苛烈なパワーゲームに身を投じた義時。鎌倉幕府樹立へ苦楽を共にした仲間たちを葬り去ってきた。

 「義時が苦しむ姿は、そばで見ていて自分のことのように苦しかったです。大好きな弟が変わっていけばいくほど、自分が巻き込んでしまったと強く感じていました。小栗さんは本当に素直な方なので、つらいシーンと時はつらい、悔しいシーンの時は悔しいと気持ちを伝えてくださるんですけど、そんな時も、私は『頑張ってね』ぐらいしか声を掛けてあげられなくて。姉としても、同じ俳優としても、もっと頼もしく支えてあげられたらよかったのに、とヤキモキしたこともありました。逆に小栗さんから『(ストーリー上、義時と政子が)どんな地獄を見ようとも、最後まで一緒に頑張りましょう』と励まされたことが、凄くうれしくて。撮影が進んでいくうちに、どんどん御家人たちがいなくなって、終盤は『気づいたら、家族しかいないね』と現場でもよく話していました。丸1日、家族だけの日もあったりしましたけど、1年半も一緒に過ごしてきて、伊豆の北条家から始まった家族の物語が、家族でラストに向かっていけたのは、ある意味、幸せだったと思います」

 =インタビュー(下)に続く=

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