中日・平田「将棋王」を防衛!巨人・丸、西武・山川、DeNA・嶺井、楽天・西口、ロッテ・安田と激戦

[ 2021年12月17日 18:00 ]

第2回プロ野球最強将棋王決定戦 ( 2021年12月12日 )

第2回プロ野球将棋最強将棋王決定戦に出演した中日・平田(前列左から2人目)、渡辺王将(前列右から2人目)、室谷女流三段(前列右)、(後列右から)楽天・西口、ロッテ・安田、巨人・丸、DeNA・嶺井、西武・山川、戸辺七段(前列左)
Photo By スポニチ

 トーナメント戦でプロ野球選手最強の将棋王を決める「第2回プロ野球最強将棋王決定戦」(スポーツニッポン新聞社、ドワンゴ主催)は12日、ライブ配信サービスのニコニコ生放送で「プロ野球×将棋特番」と題して生配信した。今年も日本プロ野球選手会全面協力のもと、将棋王の称号「球王」をかけて前回覇者の中日・平田良介外野手(33)をはじめ、巨人・丸佳浩外野手(32)、西武・山川穂高内野手(30)、DeNA・嶺井博希捕手(30)、楽天・西口直人投手(25)、ロッテ・安田尚憲内野手(22)が出場。解説に渡辺明王将(名人、棋王との3冠)、戸辺誠七段、室谷由紀女流三段が集結し、昨年を上回る盛り上がりを見せた。なお、対局の全棋譜はスポニチアネックスに掲載している。 決勝戦棋譜/楽天西口VS中日平田

 【予選第1局:西口〇-●山川】

 第1局では山川と西口の初出場対決。「四間飛車しかできない」という山川に、西口は「原始棒銀」で臨んだ。序盤は山川が積極的に攻めを繰り出したが、中盤からは西口が優位に進め、粘る山川を退けた。敗れた山川だったが、「いやー、強い!楽しかった」と満面の笑みで一局を振り返った。

 【予選第2局:嶺井〇-●丸】

 続く第2局は嶺井と丸の顔合わせ。解説の戸辺七段は「定跡を勉強していることがわかるきれいな形の丸選手と、キャッチャーらしい丁寧な対応の嶺井選手。素晴らしい攻防」とうなった。しかし、勝負はあっけなく幕切れ。積極的に攻めていた丸だったが、嶺井の桂馬の王手に気付かずに飛車を動かして終了。痛恨の黒星を喫した丸は「ミスった!攻めばかり考えていて自分の王を見ていなかった。エラーです」と苦笑いだった。

 【パCS(準決勝):西口〇-●安田】

 パ準決勝は西口VS安田のカードに。「将棋を始めて2年。2級で伸び悩んでいます」という安田だったが、対局経験のある丸は「去年より確実に強くなってる」と驚いていた。しかし、将棋歴18年の西口が徐々に攻勢を強めていく展開に。解説の渡辺王将は、「中盤までは一進一退の攻防だった。(安田が)飛車と角の交換を嫌がったところが勝負の分かれ目になった」と分析した。

 【セCS(準決勝):嶺井●-〇平田】
 
 セ準決勝は平田と嶺井の対戦となった。平田の四間飛車に対し、嶺井は右四間飛車の隣に王がつくという独特の攻め方を披露。解説を務めた戸辺七段も「これは嶺井システムですかね!?」と声を上げていた。独創的な嶺井将棋を展開も、ディフェンディングチャンピオンの平田が手堅く攻めて圧倒、攻め手のなくなった嶺井が投了した。

 【日本シリーズ(決勝):西口●-〇平田】

 セ準決勝から登場した平田が、初出場の西口に地力の違いを見せつけ昨年大会に続く2連覇を達成。プロ野球最強の称号である「球王」を防衛した。後手の平田は西口の棒銀を受け止めてから果敢に飛車交換に出たが、解説の渡辺王将からは「やり過ぎましたね」と言われる場面も。しかし、しっかりと対応してしのぐとペースを取り戻し、的確な攻めで勝利をつかんだ。戸辺七段は「互角にしてからは平田選手が強かった」と実力を評価した。

 平田は「中盤は完全にやられていたが、切り替えることができた」と振り返った。「第3回があれば、もっとレベルの高い戦いができる」と大会の継続開催を熱望。課題については「棒銀系の受け方は正直分からない。そこを勉強していきたい」と語った。 「球王」の称号に届かなかった西口は、「準優勝という結果に終わってしまって本当に悔しい。平田さんにうまくかわされて負けてしまったので、来年、出場ができればリベンジしたい」と雪辱を期した。

続きを表示

2021年12月17日のニュース