吉永小百合、声震わせ…岡田裕介さんに「ありがとう!」 東映グループ会長お別れの会に2000人参列

[ 2021年3月11日 05:30 ]

献花し手を合わせる吉永小百合
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 昨年11月18日に急性大動脈解離のため71歳で永眠した岡田裕介東映グループ会長のお別れの会が10日、都内ホテルで営まれ、山田洋次監督(89)、岩下志麻(80)、吉永小百合(75)ら親交のあった映画人をはじめ約2000人が参列した。コロナ下でもあり、密を避けるため3部構成で進行。出席者は映画界の発展に尽くした功労者に静かに別れを告げた。

 東映映画のオープニングを飾る「荒磯に波」をイメージした祭壇は、ユリやトルコキキョウなど1万2800本の花で飾られた。2017年にプロフィル写真用に撮影された笑顔の遺影。その両サイドには春到来とコロナ感染収束の願いを込めて桜が供えられた。

 里見浩太朗(84)、小林稔侍(80)、岸部一徳(74)、西田敏行(73)、舘ひろし(70)、水谷豊(68)、石田ゆり子(51)ら岡田氏のプロデュース作品を彩ってきた多くの俳優陣が献花して遺影に手を合わせた。

 岡田氏が俳優時代に東宝「その人は炎のように」(監督出目昌伸、72年公開)で共演した岩下は「それ以来、四十数年間お友達としてお付き合いさせていただき、いつもユーモアたっぷりの冗談を言って、私を和ませてくれました。もっともっと映画を作っていただきたかったです。本当に残念でたまりません」としのんだ。

 サユリストとして知られた岡田氏にとって遺作となってしまった「いのちの停車場」(監督成島出、5月21日公開)は吉永の主演作。「“裕介さん、今、どちらですか?お元気ですか?”大空に向かって、森の奥に向かって、時折声を掛けたくなります。あまりに突然で、もうお会いできないという実感が湧かないのです。でも、現実なのですよね…。40年間も、映画づくりをご一緒させていただき、心から感謝しております。ありがとう!本当に、ありがとうございました」と吉永は声を震わせた。

 会場には岡田氏の足跡を11分にまとめた映像が流され、幼少時代から俳優時代の写真、プロデュース作のポスターも展示。参列者は改めて悲しみを募らせていた。

 ▼里見浩太朗 亡くなられる4日前に、本社の会長室でお会いしましたね。「また電話するよ」「ああ、待ってる」最後の会話が、今も繰り返し聞こえてきます。
 ▼小林稔侍 最初に会ったのは昭和36年。“若(岡田氏)”が小学5年生、僕は高校を卒業したばかりでした。亡くなる3日前、元気で楽しく電話で話していたのに。“若”の声、耳に残ってるよ。良い出会いありがとう。
 ▼岸部一徳 初めてお会いしたのは裕介さんの俳優時代でしたね。肩書がどんなに大きくなっても、いつも優しさとユーモアがあふれている人でした。僕はあなたが大好きでした。
 ▼笑福亭鶴瓶 正直で明るうておっちょこちょいで出会った時からほんまに気が合った。会長やのにこんなにイジリがいのある人はいない。イジるとうれしそうに「アホなこと言いな」と返してくれた。

 ◇主な参列者 阿部寛、五木ひろし、大後寿々花、かたせ梨乃、上川隆也、北大路欣也、工藤遥、國村隼、笹野高史、佐藤浩市、佐藤友美、篠原涼子、笑福亭鶴瓶、竹中直人、田中義剛、田山涼成、内藤剛志、中山忍、仲村トオル、名取裕子、橋本マナミ、原日出子、東山紀之、堀内孝雄、萬田久子、三田佳子、松平健、美木良介、森高千里、南野陽子、由紀さおり、柳葉敏郎、渡辺裕之、大森一樹、木村大作、阪本順治、周防正行、滝田洋二郎、堤幸彦、成島出、平山秀幸、行定勲 (敬称略)

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