小松政夫さん 人気ギャグには実在のモデル 市井を鋭く観察 笑いに昇華

[ 2020年12月12日 05:30 ]

小松政夫さん死去

77年、秋葉原で「電線音頭」を踊る小松政夫さん
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 コメディアンで俳優としても活躍した小松政夫(こまつ・まさお、本名松崎雅臣=まつざき・まさおみ)さんが7日午前6時51分、肝細胞がんのため都内の病院で死去した。78歳。福岡県出身。クレージーキャッツの植木等さんの付き人兼運転手を経てデビュー。電線音頭などが人気を呼び「小松の親分」の愛称でも親しまれた。

 小松さんは人気を博したギャグについて「全て実在のモデルがいる」と明かしていた。

 「なが~い目で見てください」は女装した中年男性がつぶやいたひと言。電話で意中の男性に冷たくされた後、受話器を置き、鏡に映る自分に「年取ったわねぇ」とため息。その後、両方の目尻を横に引っ張って「なが~い目で見てください」と言った瞬間を小松さんは聞き逃さず、これをギャグにした。

 「おせーて」は別れ話を切り出されて、理由を問う江戸っ子口調の女性のモノマネ。「知らない、知らない」は自動車のセールスマン時代に、年下の上司に叱責(しっせき)されて、ふてくされた男性がモデルだ。鋭い観察眼で市井の人の言葉とその時の心境をすくい上げ、ギャグとして完成させた。だからこそ、リアリティーある面白さが生まれ、お茶の間の心をとらえた。

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