備忘録1

[ 2020年8月11日 08:00 ]

6月2日の棋聖戦決勝トーナメント準決勝で、佐藤天彦九段(右)に111手で勝利する藤井聡太七段(日本将棋連盟提供)
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 【我満晴朗のこう見えても新人類】怒濤(どとう)の2カ月だった。

 緊急事態宣言が解除され、藤井聡太七段(当時)の対局が再開されたのが6月2日。以降7月29日までの59日間で17局を指したことになる。これとは別に収録棋戦が3局あるので計20局。ざっくり計算して3日に一度は盤に向かっていた計算だ。で、敗れたのはわずか3局(これも収録対局を除く)。この間に呼称は「七段」から「棋聖」に変わり、このコラムを執筆している8月上旬時点で「2冠」に王手をかけている。

 空恐ろしいほどの進撃。

 東日本地区を担当している筆者は、前述の17局中13局を直接取材することが出来た。と言っても昨今の事情から対局室には原則として入れない。対局前日や終了直後に設定された記者会見をフォローするのが主な役目だ。平時であれば現場の空気を吸いながら当事者の表情や息遣いを感じて記事に起こすのが記者としての存在理由。コロナ下ではそれがほぼ不可能なので隔靴掻痒感は否めない。それでもなるべく対局室に近い地点で待機し、現場の生々しい雰囲気を探ろうと務めてきた。現時点でもそう努力している。

 ただし原稿量や締め切り時間の関係で当日盛り込めきれなかった事象は多くあった。この場を借りて少しずつ紹介してみたい。

 ☆6月2日 対佐藤天彦九段(第91期棋聖戦決勝トーナメント準決勝=東京・将棋会館)

 藤井にとっては4月10日の菅井竜也八段戦以来、実に53日ぶりの公式戦は111手で勝利を飾るのだが、昼食休憩時には、とある「異変」が…。

 先手・藤井の手番で正午を迎え、別室でのランチタイム。佐藤は「豚しゃぶ(梅しそだれ)弁当のご飯少なめ」藤井は「「豚と厚揚げ卵とじ弁当」と、ともに鳩やぐらのメニューを選択した。

 胃袋を満たして対局室に戻った藤井は再開の12時40分直後に指したものの、相手の姿はない。

 そのまま時が過ぎること約1時間。佐藤が対局場に戻ってきたのは13時43分だった。持ち時間各4時間の4分の1をつぎ込んだことになる。中継コメントには「実に優雅な時間の使い方だ」とつづられていた。

 さて佐藤九段、その間いったい何をしていたのか?

 実は筆者も昼食をたらふく食べて半睡眠状態にあり、何が起きているのかほとんど把握できていなかった。記者控室に戻ってきた先輩記者から「どうも昼寝していたみたいですよ」とささやかれびっくり。さらに後日判明したところによると、アイマスクをして気持ちよく午睡をむさぼっている姿が棋士控室で目撃されていたとか。

 やはり貴族はどこか違う…。(専門委員)

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