「教場」中江功監督 キムタクと16年ぶりタッグも“あうんの呼吸”教室シーンに仕掛けた“演出マジック”

[ 2020年1月4日 08:00 ]

開局60周年特別企画「教場」に出演する工藤阿須加(C)フジテレビ
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 俳優の木村拓哉(47)が主演を務めるフジテレビ開局60周年特別企画「教場(きょうじょう)」は4日午後9時から「前編」、5日午後9時から「後編」と2夜連続放送される。警察学校を舞台に人間の心理をえぐる究極のミステリーで、役者人生初となる木村の白髪姿は放送前から大反響。演出を手掛けた同局の名匠・中江功監督(56)が撮影秘話を語った。

 原作は「週刊文春ミステリーベスト10」第1位(2013年)、「このミステリーがすごい!」第2位(14年)を獲得し、13年にミステリー界を席巻した長岡弘樹氏の同名小説。警察学校を舞台に繰り広げられる人間模様を描き、新しい警察小説としてベストセラーに。シリーズ化され、累計発行部数は57万部。今回、ファン待望の映像化が実現した。

 木村が演じるのは、主人公の冷徹な教官・風間公親(かざま・きみちか)。異様に鋭い観察眼を持つ風間は問題のある生徒たちの微細な変化を察知し、徹底的に追い詰め「君にはここを辞めてもらう」と次々に退校届を突き付ける。

 生徒役に工藤阿須加(28)川口春奈(24)林遣都(29)葵わかな(21)井之脇海(24)西畑大吾(22)富田望生(19)味方良介(27)村井良大(31)大島優子(31)三浦翔平(31)ら若手実力派が集結した。脚本は“冬彦さん現象”を巻き起こしたTBS「ずっとあなたが好きだった」(1992年)、フジテレビのメガヒット作「踊る大捜査線」シリーズなどの君塚良一氏(61)。演出は水曜劇場「若者のすべて」(94年)「ギフト」(97年)、木曜劇場「眠れる森」(98年)、月9ドラマ「空から降る一億の星」(02年)「プライド」(04年)などの作品を手掛け、木村と共にテレビドラマ界の伝説を築いてきた中江監督。木村とは「プライド」以来、久々16年ぶりにタッグを組んだ。

 今年6月から2カ月強、関東近郊各所で撮影。冒頭のシーンは「雪を待って先月ロケを行いました」。木村への“注文”は特になく「風間がロボットのように一切笑わない、あまり動かないキャラクターだというのは、事前に共通認識として一致していました。本人も分かっていて、姿勢良く、真っすぐ立っていて。ちょっと壁や机にもたれ掛かるといった動作も一切やめようと。風間像についてディスカッションすることも、あまりありませんでした」。16年ぶりのブランクも感じない“あうんの呼吸”だった。

 風間の初登場シーンが凝っている。「主人公を引っ張るのは昔からよくある手法ですが、今回、特に風間の見た目にインパクトがあるので、中途半端に顔を出すよりは、そのシーンまでは隠しておいて、最後に思い切り“顔のアップ”で行こうと。風間が現れた時、生徒全員がドキッとするんですが、視聴者の皆さんにも同じようにの緊張感を味わっていただきたい。その方が、ドラマの中に入り込んでいただけると思いました」と狙いを説明した。

 舞台は警察学校。グラウンドの場面もあるが、教室のシーンも多い。「室内劇を撮る苦労は?」と尋ねると、中江監督らしい“こだわり”が明かされた。

 「教室のシーンをセットで撮る場合、窓側の壁を外してカメラを置くのが基本です。つまり、廊下が画面の奥にあるように窓側から撮るのが普通。カメラも並べやすく、照明も当てやすいので、過去の学園ドラマの90%はそう撮っているはずです。『めちゃイケ』(めちゃ×2イケてるッ!)の『抜き打ちテスト』企画も、そうですよね(笑)。学校を借りてロケで撮る場合は逆。2階以上は当然、窓の外から撮ることはできないので、窓が画面の奥にあるように廊下側から撮ります。今回はセットだったんですが、敢えて通常とは逆で、廊下側から撮りました。教室の中にいる人物が、窓からの明かり(照明)を背負った画(絵)が欲しかったんですよね。少しスモークも焚いたりしたんですが、緊張感に満ちた独特な教室の雰囲気が作れるかなと。後編(5日)のクライマックスも教室なので、そのシーンをなるべくいい明かり(照明)で作りたいという逆算もありました。だから、いつもの教室セットの構造とは逆にしたんです」

 昨年12月18日に行われた完成披露試写会。「素晴らしい原作、計算された脚本、計算できない役者、素晴らしいスタッフに恵まれて楽しめました」という中江監督の言葉が印象的だった。「計算された脚本、計算できない役者」とは――。

 「生徒役の役者さんたちは今回ほぼ初めまして。だから、非常に新鮮でした。一例を挙げれば、林君の“キャラ変”は予想以上で、途中でセリフも少し変えてしまったぐらい。彼のことは、もう大好きになりました。台本通り演じたとしても、その人の個性が出るところを、今回は特に実力のある人たちが揃って、当たり前と言えば当たり前のことですが、どうすれば自分の役が生きるか、こちらが思うより一生懸命考えてチャレンジしてくれてきたので、それは凄くおもしろかったですよね」

 木村の身の毛もよだつ鬼教官ぶりに、若手の演技合戦。そして、中江監督が仕掛けた演出の“マジック”。総計4時間超え、2020年の新春を飾る大作を堪能したい。

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