阪神・湯浅 9回2被弾で交流戦“アレ”消滅 岡田監督「もう投げさせられへんよ」2軍再調整を決定

[ 2023年6月16日 05:15 ]

交流戦   阪神2―3オリックス ( 2023年6月15日    甲子園 )

<神・オ>9回、杉本に勝ち越し弾を浴びた湯浅(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 悲劇の“アレ”消滅…。阪神は15日のオリックス戦に2―3で逆転負けし、交流戦優勝の可能性が消えた。1点リードの9回に登板した守護神・湯浅京己投手(23)が同点、逆転と自己ワーストの1イニング2被弾でノックアウトされた。敗戦後、岡田彰布監督(65)は右腕の2軍再調整を決定。チームは今季初の3カード連続負け越しを喫し、6月7日時点で最大6・5あった2位・DeNAとのゲーム差は3に縮まった。

 どよめきと悲鳴が交錯する異様な空気に包まれた。湯浅が、2度もマウンドにひざまずいた。2―1の9回。まずは1死を取って迎えた頓宮に、浮いたフォークを左中間スタンドに運ばれ同点に追いつかれた。さらに2死から杉本には左翼席への推定140メートルの逆転ソロを叩き込まれた。

 「制球力の問題じゃない。やっぱりボールに力がないと思いますし、自分の思うようなボールが投げられていないので、はじき返されたと思う。言うことないです」。1回を投げきれず、2/3回2失点で降板となった右腕は言葉を絞り出した。

 ベンチから見届けた岡田監督は「一発くろたらあかん場面やからな」と苦い表情を浮かべ、特に2本目に首をかしげた。杉本には直前のフォークを見切られ、フルカウントから7球目の150キロ直球を捉えられた。「あのカウントでもストレート1、2、3(待ち)になってまうよな、フォーク見送られたら。次の紅林勝負でもいいわけや」。長打禁物の場面。それなら長距離砲と無理に勝負せず、次打者に切り替える選択肢もあったわけだ。

 「イケイケのピッチャーはあかんよ。もっとビビるピッチャーじゃないとな。チームのためにそういう考えも必要なわけやから。同点じゃ負けてないんやから。普通はあそこでイケイケはいけへんけどな」。2度も「イケイケ」という独特の言い回しを用い、勝負を急いでしまったように見えたバッテリーの判断に苦言を呈した。

 湯浅は右前腕部の張りから復帰後、3度目の救援失敗。昨季登板59試合で被弾わずか1だった男が、直近3試合で3被弾。本調子でないことは明らかだ。「(長打を)打たれるよなぁ。(直球が本来と)違うんやろなぁ」と首をかしげた上で、今後の登板機会について「これはもう投げさせられへんよ。6回、7回、そういうポジションでいけいうピッチャーじゃないわけやんか」と配置転換ではなく、再調整の方針を口にしていた指揮官。その後、正式に湯浅の登録抹消を決めた。

 痛恨の逆転負けで、チームは今季初の3カード連続負け越し。交流戦でも“アレ”を目指したが、その可能性は消えた。徐々に歩みが鈍くなってきた岡田虎。このままズルズル後退はできない。(遠藤 礼)

 ≪湯浅の今季セーブ失敗≫ ★6月3日ロッテ戦(甲子園) 3点リードの9回に登板。味方の失策などで1死一、二塁から、岡に左線適時二塁打。続く藤岡には右前へ同点2点打。先発・大竹の7勝目が消え、悔しさから帽子を投げつけた。セーブ失敗は22年7月1日の中日戦以来だった。1回3安打3失点で降板。試合は延長11回、阪神がサヨナラ勝ちした。
 ★同8日楽天戦(楽天モバイル) 1点リードの9回に登板。連続四球の走者を背負った2死一、二塁から小深田に右翼へ自身初の逆転サヨナラ3ラン被弾でシーズン初黒星。登板3試合で2度の3失点と精彩を欠く守護神に岡田監督は「今はしんどいやろ」。

 ≪巨人の勝率上回れず…≫ ○…阪神はオリックスに敗れ、今季最長の3カード連続負け越し。また巨人がサヨナラ勝ちしたため、交流戦の優勝の可能性も消滅した。これは阪神が交流戦残り3試合に全勝しても9勝8敗1分けの勝率・529。巨人が残り3試合に全敗でも10勝8敗の勝率・556となり、阪神が巨人を勝率で上回れなくなったため。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月16日のニュース