【落合×東尾対談】今の投手に言いたい2つのこと 「気持ちだけでも」と訴えた先発のメンタリティー

[ 2023年6月16日 17:15 ]

「落合博満のオレ流チャンネル」に出演した東尾修氏(右)と握手を交わす落合博満氏
Photo By スポニチ

 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が16日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。「博満の部屋」の第2回目として、プロ野球歴代10位の通算251勝を挙げた東尾修氏(73)をゲストに招いて対談を行った。

 東尾氏が「最近ピッチャーがさ、猫も杓子もセットポジションばっかりで投げるわけよ。もうええかげんにせえよって。何で体の使い方、体の全部をうまく使えないのか」と問題提起した。
 投球フォームの中で、走者がいない時は、「ワインドアップ」「ノーワインドアップ」がある。「ワインドアップ」とはグラブとボールを持つ手を合わせ、頭の上に挙げてから、足を挙げる投球フォームのこと。「ノーワインドアップ」とは腕が顔よりも上には上がらない。ワインドアップは動作の工程が増え、細かな制御は難しくなる。実際にリリース時に力を伝えるという点において、「無駄な動き」と考える投手が時代の変遷とともに多くなった。さらに、今ではさらに足を挙げる前の動きを減らし、セットポジションだけで投げている投手も多くなっている。東尾氏は「体を使って投げることを覚えてから、ならいいよ。今は少年野球もそういうことを教えている」と話した。

 落合氏が「コントロール重視なの?ワインドアップで投げるピッチャーってほとんどいないもんね」と話を向けると「(最初から)セットポジションだけだったら、肩の負担がものすごくきつくなると思う。体全体から投げないと、ここ(肩)にかかる不安が、ものすごくきついと思うんだけどね」と東尾氏。体全体を使って投げることを覚えた後で、自分にとって何が無駄かどうかを判断することプロセスが大切であると説いた。

 さらに話題は先発投手としてのメンタリティーにも及んだ。「昔は完投するのが当たり前だったけど、今は最初から6回、7回を目標にしている」と東尾氏。今は肩の消耗を考え、球数制限、登板間隔などは十分に与えられている。だが、1試合の中で勝敗を決するまで投げ切るというメンタリティーが薄れると、決められた球数まで目いっぱい投げるだけで、試合の中でどう自分をマネジメントするかという部分が失われていくことを東尾氏は嘆く。

 「(現役時代は)エースは最後まで投げるっていうのは、途中で降板するのは恥やと思ってますから。山田久志、鈴木啓示、村田兆治…、いろんなピッチャーがいて、エース同士の対決の時っていうのは特にそうやったね。山田久志とやる時っていうのは、“絶対先に降りない。絶対、9回まで俺は投げる!”と。今のピッチャーにいいたいのは、気持ちだけでもいいから、最後まで投げるっていう気持ちでいて、マウンドに上がってほしいよね。6回、7回を目標にしていたら、さびしいですよね」と熱っぽく語った。

 落合氏は「(中日の)監督やってる時に、1対0で負けて、“俺は自分の役割を果たした”っていうピッチャーがいたんですよ。“お前、この試合負けたんだよ、完投しても1点取られて負けたんだよ”って。“負けは何も残らないんだよ”っていうことを言ってね。“1点も取れないんだったら1点もやるな”って。完投を目標にしてゲームに入りなさいっていうようなことは常々言っていた」と話していた。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月16日のニュース