“一片の悔い”ぶっ飛ばした 高1夏に甲子園出場も出番なし、ラオウ夢の一発でオリ関西ダービー劇勝締め

[ 2023年6月16日 06:30 ]

交流戦   オリックス3―2阪神 ( 2023年6月15日    甲子園 )

<神・オ>9回、杉本は勝ち越しソロを放つ(撮影・北條 貴史)
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 ラオウが夢をかなえた。それも、最高の場面で――。1―2で迎えた9回、頓宮の起死回生の左越え5号ソロで同点。2死となった後、オリックス・杉本が湯浅の直球を完璧に捉えた。左翼席中段に飛び込む推定140メートルの特大10号ソロは、自身の甲子園初アーチ。土壇場での逆転弾でチームを「関西ダービー」勝ち越しに導いた。

 「甲子園でホームランを打ちたいとずっと思っていた。いい場面で打てて良かった」

 徳島商(徳島)時代は1年夏に甲子園に出場するも、出番なし。「社会人の時も試合を見に来ていた」と、聖地での一発を夢見てきた。5月26日の西武戦以来16試合ぶりの一発は、最高のシチュエーションで飛び出した。

 お膳立てした頓宮は4回にも右前先制打。先輩に勝るとも劣らない大貢献で「山岡さんの負けをまず消せたんで良かった」と表情を緩めた。前日14日には亜大の恩師・生田監督が勇退を発表。「人の先頭に立って引っ張っていくヤツじゃないと後輩も付いてこない」という教えを今も胸に刻み、真摯(しんし)に野球に取り組む。

 オリックスの甲子園での2本塁打は18年6月5日以来5年ぶり。中嶋監督が体調不良で離脱している中、セの首位に勝ち越し、ラオウは「監督を不安にさせないように、明日からも頑張ります」と笑った。(山添 晴治)

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