阪神「ハッピーサタデー」立役者は小幡 プロ初劇打で不穏な試合を制した!朗希撃ちへ勢い加速

[ 2023年6月4日 05:15 ]

交流戦   阪神6-5ロッテ ( 2023年6月3日    甲子園 )

サヨナラ打を放った小幡(中央)に駆け寄る大山 (撮影・須田 麻祐子)
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 阪神の小幡竜平内野手(22)が3日のロッテ戦の5―5の延長11回1死満塁、プロ初のサヨナラ打を中前に放ち、チームの連敗を2で止めた。セ・パ首位対決第1ラウンドで、9回に守護神の湯浅京己投手(23)が3点差を追いつかれる苦しい展開を吹き飛ばす一打となった。チームは今季7度目の危機も回避し、いまだに3連敗なし。土曜日は開幕から8戦全勝だ。4日の相手先発は佐々木朗。この勢いそのままに、攻略を狙う。

 バンザイしながら坂本に飛びついた。大山、大竹、先輩たちからのウオーターシャワーが最高に心地良い。延長11回までもつれ込んだ試合を決めたのは、小幡。1死満塁、痛烈なライナーで二遊間を破るプロ初、人生初のサヨナラ打だった。

 「“自分で決めてやる”としか思っていなかった。初めて真ん中で水を浴びて、凄くうれしかったです。最後は何が何だか分からなかった」

 3点リードの9回に守護神・湯浅で追いつかれるまさかの展開。その裏の無死一塁の場面で代打で出場した。犠打を期待された場面で、初球をファウルし決めきれず。直後に走者・植田がけん制死し、自身も結局空振りの三振に倒れる悔しい打席となっていた。両リーグ首位対決となった試合は、阪神の投手がけん制球を投げるたびにロッテファンがブーイング。それを受けて阪神ファンもやり返すなど、スタンドもヒートアップしていた。試合終盤には守備、走塁でミスが連発。不穏な雰囲気を振り払った。

 「そうっすね、いろいろあったことは忘れていました!」

 先制3ランを放ちながらヒーローになり損ねた大山は、公私ともに面倒を見てくれる兄貴分。先日、突然「これ履く?」と白いスニーカーをプレゼントされた。「いきなりくれて。めっちゃうれしかったです」。遠征先には必ず持って行くお気に入りの一足をくれた先輩の前で、大仕事を果たした。

 負ければ今季初の3連敗だったが、7度目の危機も阻止して12球団で唯一、まだない。土曜日は開幕から8戦全勝と「ハッピーサタデー」も継続した。9連戦初戦を総力戦で何とかモノにした岡田監督は「ねえ、先長いのに。まあ、一つずつ勝つことがね、おーん。疲れもそんな出ないかも分からないですね」と苦笑いだ。

 さすがにパ・リーグ首位のロッテは簡単には勝たせてくれない。それでも、今季延長戦5試合で4勝1分けと不敗神話は守られた。そして、1度追いつきながら敗れた敵軍の方がダメージは大きい。ナイター明けのデーゲームとなる4日。「令和の怪物」佐々木朗に、今季5度目の劇勝の勢いをぶつける。(山添 晴治)

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