オリ・中嶋監督の「寝ていた」打線叩き起こす代打3連発!「俺、何もしてない」も裏には勝算データ

[ 2023年6月4日 05:01 ]

交流戦   オリックス5-1中日 ( 2023年6月3日    バンテリンD )

<中・オ>7回、代打・中川の適時打で生還したゴンザレスをガッツポーズで迎える中嶋監督(中)(撮影・椎名 航)
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 オリックスは中嶋監督の代打策が的中して逆転勝ちした。6回まで松葉、藤嶋の前に1安打で無得点。2番・若月、3番・安達、8番に投手の山崎福を起用する新オーダーは機能しなかったが、1点を追う7回に2段構えの「ナカジマジック」で、寝ていた攻撃陣を叩き起こした。

 「寝てましたからね、打線が。やっと起きたのかなと。(代打攻勢は)まあ(ベンチにいい打者が)いましたからね」

 3番手の勝野を攻め、1死から安達の四球と頓宮で1死一、二塁となったところで、5番・杉本に代打・森を起用。15試合ぶりにベンチスタートの森は、代わった福の前に中飛に倒れたが、続く紅林の代打・ゴンザレスが左前に同点打を放った。野口の四球で満塁とし、ここで3人目の代打・中川圭が5番手・山本の初球151キロを左翼へ2点二塁打。試合をひっくり返した。

 指揮官は「俺、何もしてないですよ。ただ、どうぞって。打ったのは選手ですし」と多くを語らない。しかし、用兵にはデータの裏付けがあった。森の起用により、投手が右の勝野から左の福に代わったのが始まり。試合前の時点で両打ちのゴンザレスは右投手に打率・216だが、左には・324と相性が良く、左打者の野口も右に・171に対し、左には・308と分が良かった。代わった紅林は右に・281、左に・211だった。

 ゴンザレスと野口が期待通りにつなぎ、最後は右足に不安を抱えて2戦連続ベンチスタートとなった中川圭が決めた。「監督にいいところでいくぞと、勝負どころでいくぞと言われていたので、ずっと準備はしていた」。指揮官が細部にまで気を配り、そのタクトに選手がきっちり応えた。ナイターで首位のロッテが敗れたため、ゲーム差なしに肉薄。2年連続リーグ覇者で、21年の交流戦も制しているオリックスが強さを見せつけた。 (中澤 智晴)

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