広島・森下 因縁ソフトBから交流戦初勝利 「投げて良し、打って良し」新井監督も称賛した二刀流

[ 2023年6月4日 05:03 ]

交流戦   広島4-2ソフトバンク ( 2023年6月3日    マツダ )

7回、田中のスクイズで生還した三走・韮沢を迎える森下(左から2人目)(撮影・岡田 丈靖)
Photo By スポニチ

 広島・森下暢仁投手(25)が3日、ソフトバンク戦に先発し、7回2安打無失点の好投で2勝目を挙げた。昨季の対戦では自己ワーストの9失点(自責8)で黒星を喫した因縁の相手を圧倒。雪辱を果たした。打っても6回にセーフティースクイズを決めるなど、2安打1打点と攻守で躍動。自身の交流戦通算6試合目での初勝利が、チームのソフトバンク戦の連敗を5で止める白星にもなった。 

 因縁の相手に雪辱を果たした森下の表情は晴れやかだった。21年6月5日の楽天戦で交流戦初登板を果たしてから通算6戦目。待望の初勝利を手にした。

 「何とか粘り強く投げられた。本当に勝てて良かった」

 過去5試合の交流戦で通算0勝4敗。ようやく負の連鎖を止めた。初回は2死から近藤に四球、柳田にも死球を与えて一、二塁としたが、栗原を空振り三振に斬り、無失点で切り抜けた。前回5月27日のヤクルト戦と同様、立ち上がりは上体が前に突っ込みすぎたことで制球の乱れにつながったが、2回以降は修正に努め、立て直した。許した安打は甲斐に浴びた2本のみ。強力打線を圧倒する内容だった。

 「外(角)のカットボールも良かったですし、アツ(会沢)さんとコミュニケーションを取りながら打者に入っていけたのも良かった」

 打撃でも存在感を発揮した。1―0の6回1死一、三塁では一塁方向へセーフティースクイズを敢行。「犠打のサインで、一塁に捕らせればいいかなと(思っていた)。走者が(田中)広輔さんだったので、一塁側にやった」と一塁走者を進塁させる狙いが、貴重な追加点につながった。2回には左前打、4回には中前打を放ち、2安打1打点。「たまたま打てた」と謙遜したが、昨季11安打をマークした右腕がフル回転した。

 新井監督からも「投げて良し、打って良しと大車輪の一日でしたね」と称えられた。ソフトバンクとは昨年5月28日の対戦で5回2/3を自己ワーストの9失点(自責8)で黒星を喫していた。それでも、平常心を貫いて臨んだ。そのマインドは、森下だけではない。

 「“今年は今年”とチームでもなっている。前回もコロナで人がいなくなったりとかで、みんなが集まって(の交流戦)というのは自分は初めて。そこは(これまでと)違う」

 交流戦に対してのネガティブなイメージもない。この1勝で、森下は新たなスタートを切った。 (長谷川 凡記)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月4日のニュース