阪神・岡田監督 狙い通りの朗希攻略に「今岡コーチが初めて円陣、それが効いた」

[ 2023年6月4日 18:22 ]

交流戦   阪神2―0ロッテ ( 2023年6月4日    甲子園 )

<神・ロ>完封勝利した才木(35)をねぎらう岡田監督 (撮影・須田 麻祐子)
Photo By スポニチ

 岡田阪神が「令和の怪物」佐々木朗にも土を付けた。6回、中野の四球に盗塁、暴投を絡めて1死三塁とすると、4番・大山がチーム初安打となる値千金の右前先制打。1安打で右腕に今季初黒星を記録させた。才木は3安打12奪三振の圧巻の完封で4勝目を挙げた。前夜の劇的なサヨナラ勝ちに続き、超難敵も攻略。岡田監督は6回の決勝点前に今岡打撃コーチが組んだ円陣について「初めてでびっくりした。あれで点入らんかったら、もう円陣組むなと言っていた」と内幕を披露。才木への監督賞も明らかにしていた。

 ――最後までしびれるいいゲームでした。

 「いや、そうでした。本当の投手戦みたいでね」

 ――才木の頑張りが凄かった。

 「いやいや、あのう、ポランコか、(2回の)内野安打1本でね、こっちもヒットなかったんですけど。本当にがっぷり四つというか、本当の投手戦だったんでね。まあ才木もあんまり点が取れないと思っていたと思うんで、自分がゼロに抑えるというかね、そういう気持ちが伝わってきましたね」

 ――9回投げ切っての完封は初めて。

 「初めてみたいですねえ」

 ――2軍での調整を経て、1軍に戻ってきた才木は頼りになる。

 「前回もそうですしね、あのう。だから自分の調子が悪くなった時の修正点は本人も分かっているんで。そのへんはさすがですね、やっぱり」

 ――最後まで才木でいくと。

 「いや、もう6回終わった時点で、ピッチングコーチに、今日は最後まで才木でいくと(伝えた)」

 ――その期待に最後まで応えた。

 「そうですね。はい。2点目(梅野の一発)も大きかったですけどね」

 ――佐々木朗をどう攻略していくか、注目の的だったが。

 「いやいや、5回までは、もう静かにするというか、6回から球数とかね、いろんなボールを含めて…。いや、今日はだから6回にね、今岡コーチが今年初めて円陣を組んだんですね。お、初めて組んだなーっと思ったけど、その回に点を取ったんで、それが効いたんでしょう」

 ――大山の気持ちの乗ったヒット、チーム初安打が得点につながった。

 「そうですね。フォークが多いんで、もう当たらないからいいんだけど、フォークのカウントに走るというかね、そういう意味ではうまくフォアボールから二塁、三塁までいけたんで、大山もだいぶ楽やったんじゃないですかね、やっぱり。そこでワンバウンドを放れないですからな。サードまで行くと」

 ――イメージ通りに佐々木朗を攻略できたか。

 「そうですね。まあ2点取ればね、なんとかと思っていたんですけど。そのとおりになって、才木がいっぱい頑張って。あのー、5回くらいかな。松坂と杉山の05年の1―0の投げ合いがずーとあったんで、そういう感じかなと思ったですね。思い出しましたね」

 ――交流戦は白星が一つ先行した。

 「やっぱりあれは、今年初めてのDH制でね、なんかこうつながらないというか、やっぱり甲子園に帰ってくると、ピッチャーが打席に入った方がみんなうまく回るのかなというのはありますよね」

 ――連戦が続く中で才木が1人で投げきったのは大きい。

 「いやいやもう、9連戦で、昨日もけっこう使ったんで、まあちょっと故障もあったんでね、ブルペンは。そういう意味でも1人で投げて勝つのは大きいですね」

  ――才木の最近のピッチングについて。

 「いやいや、前回もそうだし、ファームから上がってきてね、ずっと良かったんで。悪い癖というか、上体が反るというかね、そういうのがないから、ストライクが低め低めにね。もうほとんど高め、あれも意識して高めにいってる感じだしね、おーん。低め狙って高めとか、そういうのも全然ないし、そういう意味ではねえ、ちゃんと修正して、それがいいピッチングにつながってると思うけど」

 ――佐々木朗のピッチングはどう見た。

 「まあ、そんな打てないっていうかね。ヒット出なかったけど、まあ、とにかく低めを振らない、こらフォアボールを絶対選べると思っとったから。まあ、出たらね、走れていうかね。そういうのは、もう、あのカウント関係なしにしてね。こっちがフォークと思ったら、スチールのサインで行けたから。それがよかったんじゃないかな。そういうふうな、な。まあ、何本もね、連打は打てないから。そんなピッチャーやないから。いろんなことをして点取ろうというか、そういうのがうまくいったと思うけどね」

 ――6回も中野が四球で出て足でプレッシャーをかけた。

 「うまいこと、あれもフォークだったしね。そういうのはやっぱ大きいよね。サードまでいくことによってね、やっぱり前進守備で来るし、向こうも点取れてないわけだから。ヒットになる確率も高くなるしねってな感じやね」

 ――やる前は「普通に」と言っていたが。

 「普通やろ。そうやなあ。いつもこんなやったらあかんけどな。もうちょっとヒット打たなあかんけど。まあ相手ピッチャーのな、力からいくと、こういう点の取り方しかないんかないうのはあるよね。やっぱり」

 ――低めに対する見極めはミーティングでもテーマに。

 「ああ、もうほとんどミーティングで。今日だけは見送り三振はOK言ってたから」

 ――6回の円陣もしっかり見極めをと。

 「そうそう。別にそんな難しいことは今岡言ってなかったみたいやけど。まあ、初めて組んだからオレがビックリしたわ。円陣組んだの。点入るんかなと思ったけど、点入ったからよかったやん。あれで入らんかったら、もう円陣組むなと言うけど」

 ――円陣はあまり好まないか。

 「円陣したら相手に読まれるやんか。だから円陣いうのはだって、準備の段階と違ういうことやからな。だから本当に打てない時は、俺もオリックスの時とかやってたけどな。3回とかに円陣組んでた時もある。分からないピッチャーばっかやからな。その打席の内容とか、そんなんであったけどな。でももう、準備して試合に挑むんやから。そんな試合中にミーティングと違うことは起きないよ、今はもういろんな情報が入ってるから、そら」

 ――いい円陣になった?

 「そうやなあ。ほとんど何も言うてなかったけどなあ、はっきり言うて」

 ――ミーティングの再確認を?

 「そうそう。ミーティング通りやって言ってたわ。点入ったから良かったわ」

 ――監督賞を今年も出している?

 「出してる出してる。才木にやらんと、そら怒られるやろ。ナンボ梅野がホームラン打っても、そら才木やろうなあ」

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月4日のニュース