DeNA・バウアー来日初10K 「疲れたね」98年日本一ユニで最多109球&最長8回2失点2勝

[ 2023年6月4日 05:30 ]

交流戦   DeNA6―2西武 ( 2023年6月3日    横浜 )

<D・西>ヒーロー賞のマグロを贈られたバウアー(撮影・島崎 忠彦)
Photo By スポニチ

 DeNAの新外国人、トレバー・バウアー投手(32)が3日、西武戦で8回3安打2失点、来日初の2桁10奪三振の快投。5月3日の来日初勝利以来1カ月ぶりに2勝目を手にした。課題だった走者を背負ってからも落ち着いた投球で、今季最多109球、最長の8回を投げる変身ぶり。サイ・ヤング賞右腕が本来の姿を見せ、日本一に輝いた98年に着用した復刻ユニホーム初戦白星を飾った。

 冷静だった。初回連続四球をきっかけに、1死一、二塁のピンチ。セットポジションに入ったバウアーに、背後の遊撃手・京田から大声が響いた。捕手・伊藤が二塁走者・源田を指さすと、慌てずにプレートを外しスタートを切りかけた源田を挟殺プレーでアウト。立ち上がりを無失点で切り抜けるワンプレーは大きかった。

 「疲れたね。でも最初に野手のみんなが声をかけてくれ、良いアウトが取れた。これが大きかった。連続四球で、人に言えないよからぬことも頭に浮かんだよ」

 26球をかけた初回を乗り切ると。リズムに乗った。最速155キロの直球と、スライダー、ナックルカーブなどで奪三振ショーを展開。8回まで毎回の2桁10三振を奪い、ソロ2本のみの2失点にまとめた。2桁奪三振はドジャース時代の21年6月23日のパドレス戦以来2年ぶりで来日初。三浦監督も「初回だね。心は熱く頭は冷静だった。その後はどんどん良くなった」と称えた。

 メジャー通算83勝右腕も、コンタクト重視の打撃や、機動力を使う日本野球に苦しんできた。2軍での調整登板などでクイック投法を修正。来日当初はプロ投手の合格点となる1・2秒台となることはまれだったが、この日は最速で1・2秒を記録。打者との間合いにも変化をつけた。さらにコンビを組んだ伊藤のサインにもほとんど首を振らずに投球。日本流に適応する変身で、来日最長の8回まで投げきった。

 日本一となった98年の復刻ユニホームでの3連戦初戦で白星。「カーブ、スライダーの精度もよかった。今年の(通常)ユニホームも歴史に残るように頑張りたい。“ヨコハマ、ダイスキ”」。自信を取り戻したようにお立ち台で叫んだ。(大木 穂高)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月4日のニュース