【スポニチスカウト部(10)】日大・林拓馬 俊足功打武器に集大成の春 “好投手撃ち”得意

[ 2023年4月11日 06:30 ]

パンチ力のある打撃を武器にプロ入りを目指す日大・林 打撃
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに選手たちの素顔を紹介する。第10回は日大の林拓馬外野手(21)。俊足巧打の外野手が大学野球の集大成となる結果を残しプロの世界へ飛び込んでみせる。 ドラフト速報

 走攻守三拍子そろった外野手として大垣日大(岐阜)時代もプロから注目された。だが林はプロ志望届を出さず「悩んだが、もっと実力を磨きたかった」と進学を選択。迎えた勝負の4年目に「結果を残して必ずプロへ行く」と、強い決意を持って1日に開幕したリーグ戦に挑んでいる。

 身長は1メートル76と決して大きくはないが、50メートル走5秒9の俊足と、高校時代も通算23本塁打したパンチ力が魅力。大学1年からリーグ戦に出場し、昨秋は自己最高となる打率・302で、初タイトルとなるベストナインを獲得した。「これまでで一番の勝負の春」と位置付けた今春のリーグ戦でも、6日までの3試合で12打数4安打の打率・333。好スタートを切った。

 相手が好投手であるほど力を発揮するタイプだ。大垣日大2年の時には、星稜(石川)との練習試合で同学年の奥川(ヤクルト)から本塁打。大学では21年春の1、2部入れ替え戦で、今秋のドラフト1位候補の最速155キロ左腕・細野(東洋大)からも一発を放ち、4年ぶりの1部復帰に貢献。「プロに行くような投手からここぞで打ってきたのは自信になっている」と胸を張る。

 このオフには「本塁打がたくさん打てるバッターではないので、足も生かしたプレーでアピールできれば」と、走塁に力を入れてきた。盗塁時のスタートを早く切れるように「リードした時の構えから変えた。右足に力が入りすぎないように膝をあまり曲げないようにしている」とし、今春は計5盗塁以上を目標に掲げている。

 入学時から期待されたが、なかなか思うような結果を残せていなかった。「昨秋から何かつかんだ気がする。打撃でもボール球に手を出さなくなり必然的に打率も上がっている」と確かな手応えを感じている。野球を始めた小2から夢見るプロの世界へ。アピールの春はまだまだ続く。 (村井 樹) 

 ≪日本ハム・輝星にプロでリベンジ!≫プロの世界でどうしてもリベンジしたい相手がいる。林が「あの時は打てる気がしなかったが、次こそ打ちたい」と語るのが吉田(日本ハム)だ。高2だった18年夏、甲子園の2回戦で金足農(秋田)と対戦。「1番・中堅」で出場したが「低めの直球は浮き上がるように見えた」と4打数無安打1三振で、チームも3―6で敗れた。当時は直球でねじ伏せられたが「自分もこの4年間で成長したので、プロでやり返したい」と雪辱を目指す。

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