エンゼルス・大谷 待ってた“将タイム”初兜弾!雄星先輩からありえぬ逆方向に驚がく3号

[ 2023年4月11日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス11ー12ブルージェイズ ( 2023年4月9日    アナハイム )

<エンゼルス・ブルージェイズ>3回、2ランを放ち迎えられる大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)は9日(日本時間10日)、ブルージェイズ戦に「3番・DH」で出場し、母校・花巻東(岩手)の3学年先輩にあたる菊池雄星投手(31)から3号2ランを放った。内角ボールゾーンのスライダーを左中間最深部に運ぶ常識外の一発。自身過去最高と位置づけるフィジカルを存分に発揮し、今季からの新たな本塁打祝福用の「兜(かぶと)」を初めてかぶった。

 試合後のクラブハウス。厳しい表情の大谷は上半身裸のままトレーナー室に向かった。延長10回2死満塁で最後の打者となり、無念の逆転負け。取材対応はなく敗戦の悔しさを内に秘めたが、衝撃の一発の記憶は色濃く残った。打たれた菊池は「本当に世界を代表するバッターですから」と完敗を認めるしかなかった。

 異次元、規格外、別世界…表現する言葉がもう見当たらない。3―0の3回1死一塁。カウント2―1からの4球目だった。大谷は菊池の内角ボールゾーンのスライダーに対し、体を開き、刀の居合抜きのようにバットを体の内側から振り抜いた。108・6マイル(約174・8キロ)の打球は左中間最深部の球場名物の岩山「ロックパイル」に着弾。2日前にお披露目された本塁打を祝う日本製の33万円、約4・5キロの兜を初めてかぶせられて照れ笑いを浮かべた。

 通常ならば詰まらされるか、ファウルになるコース。それを逆方向に397フィート(約121メートル)もかっ飛ばした。2球目の同じコースのスライダーは引っ張ってファウルにしており、そこからの修正力も光る。FOXスポーツのアナリスト、ベン・バーランダー氏は「This is insane(常軌を逸した本塁打)」、カナダメディア「ザ・スコア」のブランドン・ウィリー記者は「He is beyond a freak(彼は怪物を超えている)」とそれぞれツイッターで驚きをもって伝えた。

 キャンプ中に大谷自身が「今までの中でも一番」と表現した今季のフィジカルの状態は本物だ。開幕から9戦3発。46本塁打でMVPに輝いた21年と同じスタートを切り、年間54発ペースで飛ばす。もっとも続く5回に高めを叩いた中前打も含め、2安打はいずれも見逃せばボール球というコース。打撃について「単純にストライクの甘い球を打つ、ボール球を見逃す。そこは毎年クオリティーを高くしていきたい」と話しており、見極めが進めばさらなる上積みも十分期待できる。

 今季は開幕前に複数の登場曲を使っていたが、この本拠地開幕3連戦はゴースト・マシーンズの「Can’t Get Enough」を使用。ニューヨークではメッツ・千賀がゴーストフォークで鮮烈デビューを飾ったが、大谷も“お化け弾”で全米の野球ファンをまたまた驚かせた。(柳原 直之)

 ≪日本人対決最多4本目≫大谷は花巻東の先輩・菊池から21年6月5日以来となる通算3本目の本塁打。通算対戦成績は20打数6安打の打率3割、6三振となった。大リーグでの日本人対決でのアーチは、これで10本目。大谷は19年に前田(当時ドジャース)からも本塁打しており、日本人対決で通算4本は最多。

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