【対談】田淵氏が落合氏に明かした“密約” ドラフト前に川上監督から「君に2番用意してあるから」

[ 2023年4月11日 17:10 ]

対談を行った落合博満氏(左)と田淵幸一氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が11日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。YouTube開設1年がたち、新企画として対談企画「博満の部屋」をスタートした。その記念すべき第1回目は通算474本塁打で強打の捕手として鳴らした田淵幸一氏(76)を招いて対談が行われた。 【動画】対談企画「博満の部屋」第1弾は田淵幸一氏

 法政一から法大に進学後、1年春から東京六大学で活躍して当時六大学記録となる22本塁打を放った田淵氏。「外野手で入部したのよ。“硬球触れるところどこだ”っていったら、バッティングキャッチャーしかなかったのよ。そしたら(当時の法大監督だった)松永怜一さんっていうね。“田淵、お前、手首うまく使うから明日からバッティングやれ”って。そこから私の本当の野球人生が始まった」と大学時代を述懐した。

 落合氏が「田淵さんの年(1968年)っていうのは、豊作ですよね」と田淵氏がドラフト1位で阪神に入団した1968年ドラフトの話題を向けた。田淵氏とともに、広島1位の山本浩二氏、南海1位の富田勝氏は“法政三羽ガラス”と言われ、阪急・山田久志氏、西武・東尾修氏、ロッテ・有藤通世氏ら、のちに名球会入りする選手がドラフト1位に名を連ねた年だった。

 田淵氏は「自分はさ、阪神なんて全然名前を聞いてなかったわけよ。巨人だと思った。人生って変わるんだね」と話した。1968年ドラフトは予備抽選で指名順が決められ、3番目の阪神が田淵氏を強行指名。巨人の指名順は8番目だった。「ああ、おれはもう巨人だと。王さん、長嶋さんと一緒にやるんだ、と。できると思いきや、フタを開けたら、“あなたは阪神タイガースです”と」と語った。落合氏が「阪神は熱心に勧誘に来ました?」と聞くと「1回もない。名前は、村山(実)さんと江夏(豊)しか知らなかった」と本音を漏らした。

 巨人だと思ったのには理由があった。「ドラフト中にね、俺、(当時巨人監督の)川上(哲治)さんと会ったんだよ。“田淵くん、君に2番用意してあるから、ぜひ来てくれ”って言うから、“はいっ”って言って。それが一気に逆転して阪神に行った」と裏話を明かした。

 落合氏が「あの年、星野さんもジャイアンツっていうふうに…」と水を向けると「星野は星野で巨人から頼むという話があったらしいんだよ。お互いに夢が崩れて、そういう気持ちでプロに入ったわけよ。だからそういう、我々はいきさつがあるから、燃えたんだよ」と田淵氏。落合氏も苦笑いを浮かべながら「あの時のドラフトだけは鮮明に覚えている」と話していた。

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2023年4月11日のニュース