松田宣浩の金言「捕ったら勝ち」を胸に飛躍を! ソフトB育成・藤野恵音が目指す未来

[ 2023年4月11日 08:00 ]

筑後で打撃練習をする藤野
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第23回は育成2年目の藤野恵音(けいお)内野手(19)に注目した。2日の2軍戦で公式戦初本塁打、初打点をマークするなど打撃面も成長中。守備面では昨年までソフトバンクに在籍していた巨人の松田宣浩内野手(39)からの“金言”を胸に三拍子そろった選手になることが目標だ。新人育成選手の連載は10位、前田純投手(22、日本文理大)を取り上げる。

 チャンスは突然やって来た。仲田、西尾と故障者が出た影響で藤野は先月31日のオリックス戦から2軍に急きょ“昇格”した。3軍の練習試合で遠征していた名古屋から合流すると、2日には今季初のスタメンで起用され2―1の7回に左越えにプロ初本塁打で一発回答。アピールに成功し、「こんなすぐさま、ホームランを打てるとは思っていなかったので、びっくりしました」と初々しい表情で振り返った。

 戸畑高から育成1位で加入した昨年は3軍で92試合に出場して打率・250、50メートル6秒0の俊足で12盗塁をマークした。2軍でも2試合に出場して初安打を放った。実戦での安打は多くが単打だったことから、オフは打撃練習から強いスイングを心がけた。入団時は76キロだった体重も82キロまでパワーアップし、打球の質が変わってきた。「今年は長打にこだわりたい」と燃える。昨年から指導にあたる大道3軍打撃コーチは「コンタクトの能力に力強さが加わって、野手の間を抜ける、しっかり振り抜けるいい打球が出てきた。本当に楽しみ」と成長を感じ取っている。

 守備面では昨年まで在籍していた熱男からの金言が胸にある。プロに入って初めてキャッチボールをした相手が筑後でキャンプを送っていた松田だった。「イップスになっちゃうじゃないか?というぐらい緊張したんですけど。本当に得られるものが多かったですね」と感謝する。先輩の力感のないスローイングに目を奪われた。スローイングが盤石ならあとはボールさえ捕ればアウトにできる。そんな意味が込められた「捕ったら勝ち」という言葉をもらった。「自分もそういう選手になりたいです」と目を輝かせる。

 そんな守備面ではさらなるレベルアップを目指している。4日のファーム施設であった練習ではノック後に小久保2軍監督、本多2軍内野守備走塁コーチと話し合う姿があった。テーマは足の動かし方について。「投げるときに突っ張っちゃう癖があるので。しっかり体が乗るように言われました」と明かす。キャッチボールではできているが、ノックではできていないという。「時間はかかるかもしれないですけど、もっと意識してやりたい」と話した。

 今年から4軍も創設され競争は激化している。「ダメだったら4軍となる。できるだけいい状態を保てるようにやりたいです」と力を込める。目指すは三拍子そろったプレーヤーになること。「どれかが欠けることがないようにしたい」と誓った。 (杉浦 友樹)

 ◇藤野 恵音(ふじの・けいお)2003年(平15)8月23日生まれ、北九州市出身の19歳。小2時に軟式野球の徳力パワーズで競技を始める。中学時代は小倉リトルシニアに在籍。戸畑高では高校通算16本塁打。甲子園出場なし。背番号122。1メートル81、82キロ。右投げ右打ち。

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2023年4月11日のニュース