「外す」から一転 阪神・岡田監督が佐藤輝の爆発予言「東京Dで変わるやろ」 10年オリT―岡田と一緒

[ 2023年4月11日 05:15 ]

阪神・佐藤輝
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 阪神の岡田彰布監督(65)が10日、「打てんかったら外す」と尻を叩いた前日9日の発言から一転、きょう11日からの巨人戦での佐藤輝明内野手(24)の爆発を予告した。敵地で迎える今季初の伝統の一戦を前に、オリックス監督だった2010年に本塁打王に輝いたT―岡田を例に挙げながら「東京ドームやからな、変わるやろ」と本塁打量産に期待を寄せた。虎の主砲も好相性の舞台で、打率・160、0本塁打、1打点の低空飛行から脱却を図る。

 厳しい言葉は期待の裏返しに他ならない。延長12回引き分けに終わった前日のヤクルト戦(甲子園)で、好機に2三振を喫した佐藤輝に「打てんかったら外すよ。しゃあないやん」と脅し文句を並べた岡田監督が、一夜明けて、その背番号8に大きな期待をかけた。

 「そら変わるやろ。東京ドームへ行ったら。オリックスの時もそうやったやん。ティー(T―岡田)と一緒やん。東京ドームでホームランを打って、それからや」

 東京移動前の新大阪駅で過去の記憶をたぐり寄せた。オリックス監督時代の10年3月30日の日本ハム戦。そのシーズン7戦目で初めて訪れた東京ドームでの試合で、当時22歳の未完の大器が1号本塁打を放った。開幕5戦ノーアーチで6戦目はスタメン落ちの憂き目に遭いながら、その一発を皮切りに覚醒。年間33本塁打で初の本塁打キングに輝いた。

 巨人の本拠地は、本塁打が出やすい打者有利の「ヒッターズパーク」として有名だ。6日の広島戦(マツダ)以降4試合は犠飛2本と内野ゴロの間の3得点のみで、34イニングにわたって適時打が出ていない虎打線だけでなく、迷える打者が、ここできっかけをつかむ可能性があると指摘する。

 「東京ドームへ行ったらイメージがな、狭いっていうかな。すぐ(打球がスタンドに)行きそうな感じやからな。(打者にすれば)そら大きいよ」

 事実、佐藤輝も好数字を残してきた。プロ入りしてからの過去2年、セの他5球団本拠地球場別では最多タイ6本塁打と最多21打点をマーク。開幕8試合で打率・160、0本塁打、1打点、得点圏打率・000と不振にあえいでいるものの、13年前のT―岡田と同じように、低迷から抜け出しても何ら、おかしくはない。

 岡田監督は、同じ左打ちのスラッガーである佐藤輝とT―岡田をダブらせて見ている節がある。タイミングがうまく取れるように、練習でノーステップ打法に取り組ませているのも、その一例といえる。東京ドームできっかけをつかんで本塁打量産態勢へ――。期待が実現すれば、18年ぶりの「アレ」も見えてくる。 (倉世古 洋平)

《10年のオリックス・T―岡田》
 開幕から5試合で17打数2安打1打点、10三振の不調で1試合を欠場した翌日の3月29日、岡田監督が「練習ではそんなに悪くない。試合での一本が一番の薬よ。(復活の)可能性はあるよ」と“予言”。すると翌30日の日本ハム戦(東京ドーム)で3回の右越え1号ソロを含むシーズン初マルチの3安打。31日の同カードでは逆方向の左越え3ランなど、3試合連続本塁打をマーク。指揮官の言葉どおり、シーズン33本塁打で本塁打王の初タイトル。リーグ3位の96打点と活躍した。

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2023年4月11日のニュース