阪神・岡田監督「そら、体に悪い」スミ1で5304日ぶり甲子園勝利 開幕7戦目初のスタメンチェンジ

[ 2023年4月9日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―0ヤクルト ( 2023年4月8日    甲子園 )

<神・ヤ>甲子園での勝利に笑顔でナインを迎える岡田監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神の岡田彰布監督(65)が、前回指揮を執った08年以来15年ぶりに、タテジマのユニホームを着て甲子園で勝利を挙げた。8日のヤクルト戦で、キャンプ中の練習試合とオープン戦を含めて今春の実戦12試合14イニング無失点の石井大智投手(25)を初めて勝ちパターンの8回に起用して逃げ切りに成功した。開幕7試合目でスタメンを3人も変更。連敗阻止へ積極的に動き、1―0の「体に悪い勝利」をもぎ取った。

 阪神の継投に新しい形ができた。1―0の8回、現在絶好調の石井がマウンドに上がった。代打・川端を三ゴロ、浜田を遊ゴロ、青木を一ゴロに抑えて3者凡退。最少リードを保ったまま、同じ独立リーグ出身の守護神・湯浅にバトンタッチし、初めてお立ち台に上がった。

 「めっちゃ緊張した。(マウンドより)お立ち台の方が緊張した」
 昨季勝ちパターンの一角として活躍した浜地が前夜、決勝2ランを浴びて2連敗。岡田監督は早くも配置転換に踏み切った。石井を初めて勝ちパターンの8回に起用。今春の実戦無失点を13試合15イニングに伸ばした右腕を、「キャンプからずっと0点に抑えて自信を持って投げているというか、マウンド姿もだいぶ様になってきたんじゃないか」と称えた。

 攻撃では開幕7戦目で先発オーダーを一気に3人替えた。ドラフト1位の森下、梅野、小幡に代え、島田、坂本、木浪を投入。「一年間不動のメンバーでできないし。連敗したんで、気分転換というか」と動いた。そして競り勝った。

 指揮官にとって甲子園は特別な場所。阪神の有力支援者だった父・勇郎(いさお)さん(86年他界)に連れられ、幼少時からたびたび観戦した。三塁側最前席から「長嶋さんをよくヤジっていた」と回想。11歳だった68年には、江夏豊の年間最多奪三振記録更新も目の当たりにした。「王さんから奪ってな。あの時はライトスタンドから見てたよ」。ファンとして、選手として、監督として思い出が詰まった球場で、今季初めて六甲おろしを聞いた。タテジマのユニホームを着て聖地で白星を挙げるのは、15年前の08年9月29日の広島戦以来、5304日ぶり。その9・29は、勇郎さんの誕生日で、05年にリーグ優勝を決めた日でもある。

 節目になりうる1勝でも、「まだまだ、ここで60試合くらいせなあかんのやで」と意に介さなかった。打線変更むなしく、2戦連続で得点は初回の犠飛による1点のみ。薄氷を踏む勝利に「そんな(気持ちの)ええことはないよ。そら、体に悪い方や」と嘆いた。打線は低調で、勝ちパターン継投の模索も続く。18年ぶりの優勝へ、感慨にふける暇はない。(倉世古 洋平)

 ▽阪神・岡田監督の甲子園勝利 08年9月29日広島戦以来で、5304日ぶり。前回は3点のリードを7回に追いつかれるも、同点の8回から救援の藤川が2イニングを無失点。8回裏、先頭・新井の右前打と金本の右越え2ランの連打で勝ち越し、5―3で勝利した。岡田監督は05、06年に続く2年ぶり3度目のシーズン80勝をマークした。

 《8年ぶりの聖地スミ1勝利》阪神は初回に大山の犠飛で挙げた1点を守って勝利。初回の1点のみで勝つ“スミ1”は、19年3月30日のヤクルト戦(京セラドーム)以来。甲子園では14年7月2日のヤクルト戦で、ゴメスの適時打で挙げた1点を岩田、福原、呉昇桓(オ・スンファン)の継投で守って以来8年ぶり。

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