西武・光成 レオのエース系譜継ぐ1イニング4K初勝利 西口、松坂、涌井以来チーム4人目珍記録

[ 2023年4月9日 05:30 ]

パ・リーグ   西武3-0ソフトバンク ( 2023年4月8日    サンマリン宮崎 )

<ソ・西>4回を終え、笑顔で引き揚げる高橋光(撮影・中村 達也)
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 西武は8日、ソフトバンクに3―0で快勝。2連勝で貯金を1とした。先発マウンドに上がった高橋光成投手(26)は、球威ある直球を軸に8回3安打無失点、11奪三振で今季初勝利。2回にはチームでは16年ぶり4人目となる1イニング4奪三振も記録した。早ければ今オフにもメジャーに挑戦する可能性がある右腕が、チームの歴代のエースたちも名を刻む珍記録をマークした。

 最後も磨き上げてきた直球を選んだ。1―0の8回2死二塁。高橋はWBCでも活躍した近藤に2ストライクから3球勝負を挑み、149キロの内角直球で三飛に斬った。表情が一気に緩む。右手には確かな感触が残った。

 「あの場面で直球で押せたのは自信になる。直球で押せているので、変化球が効いて投球の幅が広がった」

 8回を3安打無失点で今季初勝利。進化は数字に表れている。昨年147キロだった直球の平均球速は150キロにアップ。開幕戦では自己最速156キロをマークした。まだ2試合ではあるが、直球の割合は昨年の37・4%から44・8%に急増。抜群の選球眼を誇る近藤から直球で2三振を奪うなど自己最多タイの11三振。「球速が上がり打者の反応も変わった」と手応えを語る。

 昨年導入したピラティスの講師の助言を受け、左足をがに股のように上げ、そのまま踏み出す「パッセ投法」もなじんできた。キャンプから練習を重ね「腕を一番走らせるための投法」と言う。新投法で2回には珍記録を叩き出す。先頭の栗原を見逃し三振に抑えると、続く牧原大は空振り三振も柘植の捕逸で振り逃げ。その後に中村晃、上林から空振り三振を奪い、1イニング4三振を記録した。パ・リーグでは過去に11人しかやっておらず、球団では97年の西口(現2軍監督)、04年の松坂、07年の涌井(現中日)に次ぐ16年ぶり4人目。いずれも力強い直球を軸に白星を重ねたエースの“領域”に達し「柘植の(捕逸の)おかげ。なかなか出せない記録なのでうれしい」と女房役をいじって喜んだ。

 私生活では1月に第1子が誕生。「パパ初勝利」を手にして「息子が大きくなるまで頑張りたい」と笑う。早ければ今オフにもメジャーに挑戦する右腕が、これで満足するはずがない。まだまだ白星を積み重ね、松井監督を男にする。(福井 亮太)

 ≪昨年ロッテ・朗希も達成≫高橋(西)が2回に振り逃げを含む4三振を奪った。1イニング4奪三振は22年7月1日楽天戦で佐々木朗(ロ)が達成して以来史上27人、28度目のプロ野球タイ記録。西武では97年西口文也、04年松坂大輔、07年涌井(現中日)に次ぎ16年ぶり4人目となった。また、この日は合計11奪三振。ゲーム2桁奪三振は、16年6月2日DeNA戦の11奪三振、19年5月31日ロッテ戦の10奪三振に次ぎキャリア3度目で、11奪三振は自己最多タイ。

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2023年4月9日のニュース