阪神・大山 元同僚のヤクルト・尾仲から決勝犠飛!12球団トップタイ今季3度目の勝利打点

[ 2023年4月9日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神1―0ヤクルト ( 2023年4月8日    甲子園 )

<神・ヤ>初回、先制犠飛を放つ大山(撮影・岸 良祐)
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 1点の重みを知るからこそ、4番は1点にこだわった。虎の子の1点が、回を追うごとに価値を増し、チームの勝利につながった。「本当に勝てて良かった」。今季甲子園初めてのお立ち台。野手を代表して登場した阪神・大山は、全員でつかんだ1勝をかみしめた。

 初回だ。ピーターズの登板回避を受け、急きょ先発した元同僚の尾仲を攻めた。中野の右中間への打球を浜田がグラブに当てて二塁打となると、ノイジーの右翼への打球はアウトの判定。中野が戻れず併殺でチャンスが一瞬消えたが、岡田監督のリクエストによるリプレー検証の結果、判定は右前打に覆った。1死一、三塁。「リクエストで少し間が空きましたが、集中できていた」と大山が初球の144キロを中犠飛とし、運を得点に変えた。

 「その1点しか取れなかったけど、それを大竹、ザキ(岩崎)さん、(石井)大智、湯浅、野手陣も守って勝てたことでついた勝利打点なので、感謝しかない」

 連敗も2で止めた。2日のDeNA戦での3回の先制適時打、4日の広島戦で同点の9回、栗林から放った勝ち越し二塁打に続く決勝打。ソフトバンク・栗原、ヤクルト・村上とともに12球団トップタイとなる今季3度目の勝利打点だ。昨年は26度も零封負けの屈辱を味わい、主軸として眠れぬ夜も経験した。だからこそ、走者を還すために目の色を変える。今季11度の得点圏で5打点、3犠飛。「理想の形とかより、点が入ることが大事。打点を増やすためにもっと引き出しを増やしたい」と言い切った。

 勝てば、みんなで喜べる。その瞬間だけは4番の重圧から解放される。声援が戻ったスタンドに向け「いつも届いています」。大山の声も甲子園に響いた。 (鈴木 光)

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2023年4月9日のニュース