慶応・清原Jr勝児が決勝弾！高校通算8号「初めて父の前で打てた」

秋季高校野球・関東大会1回戦   慶応5―3常磐大高 （ 2022年10月22日    レジスタ大宮 ）

＜慶応・常盤大高＞4回、勝ち越し2ランを放ち、ガッツポーズする慶応・清原（撮影・木村　揚輔）
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　来春選抜の重要な選考資料となる秋季高校野球関東大会が22日、レジスタ大宮などで開幕し、慶応（神奈川2位）が常磐大高（茨城2位）を5―3で破って1回戦を突破した。西武、巨人などで活躍した清原和博氏（55）の次男・勝児内野手（1年）は「7番・三塁」で出場し4回に高校通算8号の左越え決勝2ランを放つなど2安打2打点。PL学園（大阪）の4番として甲子園で伝説を残した偉大な父も観戦した試合で豪快弾を放ち、聖地出場に一歩近づいた。

　狙い澄まし、バットを振り切った。冷静な読み、そしてスケールの大きなスイングは父譲りだ。清原が左翼席に運んだ高校通算8号は決勝2ラン。「高校に入って初めて父の前で打てた。タイミングを大事に（父の言葉通り）センター返しを意識した」と笑った。

　1点をリードしていた直前の4回の三塁守備ではイレギュラーしたゴロを捕れず同点とされた。記録は安打だったが責任感は強い。「落ち込んでいられない。明るく取り戻そう」と気持ちを入れ替えた。1―1の4回1死一塁で打席へ。頭には遊飛に終わった前打席の残像があった。「直球で打ち取られたので（同じ球種を）張っていた」と2ボールから待っていた内角直球をミート。打球は左翼ポール際に飛び込んだ。

　スタンドで観戦した和博氏からは秋季県大会の前、帽子のつばにペンで直筆メッセージを書いてもらった。甲子園5季連続出場、さらにプロでも歴代5位の通算525本塁打を放った偉大な父は「氣」の一字を中心に記し「己を信じて　リラックス　センター返し」も添えた。シンプルだが、熱いメッセージを胸に刻み、7回にも左翼線二塁打を放ち2安打2打点1四球。尊敬する父の前でチームの勝利に貢献した。

　1回戦を突破し、次戦は25日で地元開催の1位でスーパーシードを獲得した昌平（埼玉）が相手となる。この強豪を乗り越えれば、18年以来5年ぶりとなる選抜出場がさらに近づく。1年留年しているため、来春は高校最後の選抜でもある。

　父は高校時代に甲子園で不滅の記録となりそうな通算13本塁打をマークした。現在は慶大でプレーする長男・正吾（2年）もかなえられなかった夢がある。「父も活躍した甲子園は夢の舞台。ぜひ立ちたい」と清原。父を甲子園へ連れていく。（君島　圭介）

　◇清原　勝児（きよはら・かつじ）2005年（平17）5月1日生まれ、東京都出身の17歳。5歳から野球を始め、小学時代は「オール麻布」でプレー。小学6年時にNPB12球団ジュニアトーナメントに巨人ジュニアの一員として出場。中学時代は「世田谷西リトルシニア」に所属。1メートル73、80キロ。右投げ右打ち。