ヤクルト 2年連続日本一へ白星発進!村上 3冠王の本領発揮の今シリーズ1号

[ 2022年10月23日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2022第1戦   ヤクルト5ー3オリックス ( 2022年10月22日    神宮 )

<ヤ・オ>村上は右中間へ本塁打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 昨年と同じ顔合わせとなった「SMBC日本シリーズ2022」が22日、神宮で開幕し、ヤクルトがオリックスに競り勝った。レギュラーシーズンで56本塁打&3冠王に輝いた村上宗隆内野手(22)が1点リードの8回先頭で右中間に貴重な追加点となる今シリーズ1号ソロ。千両役者が大舞台でも本領を発揮して、チームは球団史上初となる2年連続の日本一に向けて白星発進を決めた。 

 打球がスタンドに飛び込む前にバットを放り投げた。ファンは確信した。日本シリーズでも、村上の存在感は変わらない。「1点を返された後だったので、すぐに取り返したかった。追加点を取ることができてよかった」と大きく胸を張った。

 4―3の8回先頭。そこまで2打数無安打、1四球の村上に4打席目が巡った。フルカウントから平野佳が投じた136キロのフォークを強振。今年の日本シリーズ1号は右中間席に消えた。昨年のシリーズでも第1戦と第5戦で一発を放ったが、いずれもチームは敗れて空砲に。今度は開幕白星に貢献した。日本選手最多56本塁打&令和初の3冠王の看板を背負って臨む今シリーズ。3冠王を獲得した選手の同年の日本シリーズ出場は5人目だ。一発をマークしたのは野村克也、王貞治、バースに続き史上4人目の記録だった。

 背番号55の大先輩との濃密すぎる15分間を経て頂上決戦に臨んでいた。神宮で行われた阪神とのCSファイナルS。12日の初戦で巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏がテレビ中継のゲスト解説に訪れた。そして試合後に念願の初対面。「まだまだ遠い存在」と尊敬するレジェンドと言葉を交わしたのは時間にして15分。「黙っておきます」と内容は明かさなかったが、ともにシーズン50号を放ったことのある左のスラッガーゆえに分かり合える、ハイレベルな打撃論を共有した。

 試合前、高津監督は「ここまで来られたのはみんなのおかげ。ここまで来たらてっぺんに登ろう」とナインを鼓舞。昨年はサヨナラ負けを喫した初戦を制し、勝利のハイタッチにも力がこもった。初回は昨年の日本シリーズで7打数1安打に封じられた相手エースの山本から四球を選んで、オスナの先制打を呼び込み、8回は一発で貴重な追加点を生んだ主砲について「一振りでまた2点差に広げたわけだから、非常に大きかった」と評した。

 チームは2年連続で同じカードとなった頂上決戦で白星発進を決めた。前日に「勝ちに向かって、必死に野球を楽しみながら頑張りたい」と話していた村上。その言葉通りに今シリーズを戦い抜けば、球団史上初となる2年連続日本一に近づく。(青森 正宣)

 ≪2年連続初戦本塁打は6人目≫村上(ヤ)が昨年の第1、5戦に次ぐシリーズ3本目の一発。日本シリーズで2年連続初戦本塁打は90~92年に3年続けたデストラーデ(西)を含め6人目。うち、21、22歳シーズンでの達成は57、58年豊田泰光(西鉄)の22、23歳を抜く最年少達成となった。また、先発4番での2年連続初戦弾となると68、69年長嶋茂雄(巨)、76、77年王貞治(巨)に次ぎ45年ぶり3人目だ。なお、シリーズでの通算最多本塁打は王の29本だが、ヤクルトでは大杉勝男、池山隆寛、山田哲人の4本が最多となっており球団記録に王手をかけた。村上(ヤ)の本塁打は今年58本目(公式戦(56)CS(1)シリーズ(1))。公式戦とポストシーズン合計の年間本数としては13年バレンティン(ヤ)の60本に次ぐ多さで、85年バース(神)、01年ローズ(近鉄)の57本を抜く左打者の最多記録だ。

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2022年10月23日のニュース