左脇腹違和感で緊急降板 オリックスの絶対エース・山本由伸 どうなる?第6戦の先発

[ 2022年10月23日 05:00 ]

SMBC日本シリーズ2022第1戦   オリックス3ー5ヤクルト ( 2022年10月22日    神宮 )

<ヤ・オ>5回、緊急降板する山本(右から3人目)(撮影・岡田 丈靖)
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 「SMBC日本シリーズ2022」が22日に神宮球場で開幕し、オリックスはヤクルトに3―5で敗れた。NPB史上初となった2度目の「投手4冠」に2年連続で輝いた山本由伸投手(24)が先発も、左脇腹の違和感で緊急降板するアクシデントに見舞われ、5回途中4失点でポストシーズン初黒星。絶対エースを立てた頂上決戦の初戦を落とす、痛恨の幕開けとなった。 

 2点を追う9回2死一、二塁、代打・頓宮が見逃し三振に打ち取られた瞬間を、山本はベンチで唇をかんで見届けた。ポストシーズン初被弾に、同初黒星…。昨年の雪辱を果たすために最も重要となる初戦で、絶対エースが異変に見舞われた。

 「“めっちゃ”という訳ではないのですが多少、違和感があったので。早めに気付けたのは良かったかもしれないけど、こういう大事な一試合で、こんなことになってしまうのは最悪だと思います」

 5回先頭の代打キブレハンへの3球目だった。3球続けたフォークをファウルにされた直後、山本は右手を上げて訴えた。高山投手コーチとトレーナーに付き添われてベンチ裏へ。5回未満の降板は17年以来5年ぶり。絶対的な存在が、わずか64球でマウンドを降りたのは誤算だった。

 球団によると、左脇腹をつったような感覚を訴えたため大事を取って降板したという。山本は18、19年にも同箇所を負傷した過去がある。降板後もベンチで戦況を見守っていたことから軽傷とみられるが、患部の状態は気がかり。中嶋監督は「オレも分かりません、病院の先生じゃないし。異常があったのですから。詳しいことを言う必要ありますか」と語ることはなかった。

 神宮のマウンドは中継ぎだった18年6月8日以来1597日ぶり2度目。先発では初だった。そんな不慣れな敵地のマウンドも一因か…立ち上がりから精彩を欠いた。初回2死一、二塁でオスナに先制2点二塁打され、後手に回った。初回失点は今季レギュラーシーズン26度の先発で、わずか5度。全て1失点だった。複数失点は今季までの3年間で20年と21年に1度ずつしかなかった。

 2回以降も波に乗れない。3回先頭の塩見に中堅左へ、4回先頭のオスナには左中間へ、いずれもソロを浴びた。1試合2被弾は20年8月11日のソフトバンク戦以来4度目で、自己ワーストタイ。史上初となった2度目の「投手4冠」の実績を引っ提げて乗り込んだシリーズ3度目の先発でも、初白星が遠い。

 病院へ行くかも含めて、23日の状態を見て判断する方針。順当なら第6戦の先発が見込まれていたが不透明となり、「相談しながらになると思います」と山本。大事に至らないことを願い、リベンジの機会を待つ。(湯澤 涼)

 ▽山本の左脇腹痛 中継ぎ時代の18年9月27日、日本ハム戦試合前のキャッチボールで負傷。「左内腹斜筋損傷」の診断で翌28日に登録抹消。5試合を残してシーズンを終え、最優秀中継ぎ投手のタイトル獲得のチャンスを逃した。先発転向後の19年には8月9日の練習中に左脇腹に違和感を訴え、10日の楽天戦先発を緊急回避。「左外腹斜筋損傷」の診断で翌11日に登録抹消。約1カ月後の9月8日、日本ハム戦で復帰した。

 ○…山本(オ)が5回途中4失点で降板。黒星はポストシーズン5度目(CS2、日本S3)の登板で初めて。3回塩見、4回オスナにソロ被弾。ポストシーズン初めての被本塁打で、レギュラーシーズンを含めたゲーム2被弾は、20年8月11日ソフトバンク戦以来2年ぶり4度目の自己ワーストとなった。

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2022年10月23日のニュース