ソフトBドラ1 イヒネ 中学時代から圧巻のグラブさばき「メジャーリーガーを見ているよう」恩師明かす

[ 2022年10月23日 08:00 ]

指名あいさつを終え、プレゼントされた藤本監督と王会長のサイン入りボールを手に笑顔のイヒネ(撮影・椎名 航)
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 【連載 ソフトバンク・ドラ1・イヒネの逸話(中)】イヒネは中学時代、愛知県の軟式野球チーム・東山クラブに所属した。約700チームがひしめく愛知県で、最近10年間だけで6度も制している強豪。創部から34年間、指揮を執り続けている藤川豊秀監督が、イヒネの身体能力は過去最高レベルだと証言した。

 まず目を丸くしたのが圧巻のグラブさばき。日本では、「股を割って、腰を低く」が内野手の基本中の基本。しかし、両親がナイジェリア人のイヒネは、上半身の強さ、柔らかさが桁違いだった。

 「メジャーリーガーを見ているように上半身でプレーする。でも能力が高いから日本選手が捕れない打球もグラブさばきで対応しちゃう」と苦笑い。形は悪いが捕球してしまう矛盾。「怒りたいけど、捕れちゃうのでどう指導したらいいのか分からなくなった。捕るために教えているのに、形が悪いからダメだとは言えない」と名将の頭を悩ませたという。

 打撃はイチローをほうふつさせるバットコントロールがあった。まだまだ体が細く、長打力には欠けていたが「手脚が長いのでワンバウンドになりそうな外角の変化球をことごとく拾っていました」。2・0の視力を生かした選球眼も持ち合わせ、天性の打撃センスを誇っていた。

 東山クラブでは「体を仕上げすぎない」がテーマ。柔らかい筋肉を残すため、筋トレは最小限にしている。「体ができたら伸びしろしかない。松井秀喜もイチローも軟式出身なので、(イヒネも)とんでもない選手になるかもしれませんね」。藤川監督の目は我が子を語るようなまなざしだった。 (特別取材班)

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2022年10月23日のニュース