阪神が執念見せつけた5時間17分!!競り負けも3度追いついたこの粘り…必ずCSにつなげる

[ 2022年9月7日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6-8ヤクルト ( 2022年9月6日    甲子園 )

<神・ヤ>10回2死一、三塁、原口は左前適時打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 阪神は6日のヤクルト戦でチーム今季最長の5時間17分の死闘の末、6―8で敗れた。4、7、10回と3たびビハインドを必死で追いつき、首位チームに食らいついたが、最後は延長11回に6番手・浜地が打たれて力尽きた。4位の広島とは1ゲーム差。クライマックスシリーズ(CS)進出へ厳しい戦いが続くが、このゲームで見せた執念を、残り15試合につなげる。

 延長に入って強さを増した雨の下で、粘りに粘った猛虎は力尽きた。最後は2点を追う11回無死一、二塁から佐藤輝、糸原、ロハスが凡退。勝利への執念は結実しなかった。

 「どこかで1本出さないと、勝つチャンスは何回も…(来ない)ね」

 試合後の矢野監督も言葉を絞り出すしかなかった。悔しすぎる1敗。首位を独走するヤクルトに何度も主導権を握られそうになりながらも、必死で食らいついた。4回に村上に右前先制打を許しても、その裏にすぐに3点を取って逆転。3―5と逆転された後も6、7回に1点ずつを返して、延長戦に持ち込んだ。

 極めつきは10回だ。味方の拙守もあり岩貞が1点を勝ち越され、5―6で迎えた裏の攻撃。相手守護神・マクガフから先頭の糸原が四球を選んだが、代打のロハス、梅野が打ち取られ2死一塁。後がない状況で中野が中前打でつなぎ、一、三塁とした。ここで指揮官は途中出場で安打していた島田に代打の原口を投入。「代打の切り札」が2球で追い込まれながらも“必死のパッチ”で左前同点打を放った。雨に打たれながら甲子園に残っていた虎党から、この日一番の拍手が送られた。

 「みんなが粘って、つないでくれたチャンスだったので、なんとか自分で、まず1点もぎ取りたいという一心でした。追い込まれていた中で、とにかく必死に食らいついていくことができた」

 原口の執念の一撃を白星につなげることができなかったのは、あまりに痛恨。ただ、背番号94が体現した最後まで諦めない姿勢が、残り15試合となった今後の戦いで問われる。

 「勝てるチャンスがあったんでね…」

 会見が終わるまで、言葉に悔しさをにじませ続けた指揮官。3連敗で借金3に後退し、4位・広島には1ゲーム差に迫られた。優勝が絶望的な状況の中、CS進出を確保することは絶対条件だ。最後にベンチに残っていたのは木浪と長坂だけ。必死で、全員で、勝利をもぎ取りにいった5時間17分を無駄にすることだけはできない。(山添 晴治)

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2022年9月7日のニュース