田沢純一 ENEOS復帰の意味 過渡期の社会人球界に新風を

[ 2022年9月7日 14:37 ]

新日本石油ENEOS(現ENEOS)時代の田沢(2008年11月21日撮影)
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 田沢純一投手(36)が紆余(うよ)曲折を経て、古巣のENEOS野球部に復帰した。アマ野球を取材してきた記者は、過渡期の社会人球界にもプラスに働くはずと確信している。

 国内プロ野球を経ずにアマ球界からMLB入りし、メジャー契約を結んだ当時は確かに賛否両論はあった。しかし、レッドソックス在籍時には上原浩治氏(現野球評論家)とともに世界一に貢献。輝きを失ってもBCリーグから台湾プロ野球、メキシコと居場所を必死に求め続けた。そして今度は08年都市対抗野球をエースとして制した古巣に戻る決断を下したという。

 当時の指揮官で、19年古巣に復帰すると、今夏の都市対抗も制した大久保秀昭監督(53)が日米で足跡を残した右腕に「最後の花道」を用意するため、声をかけたのだろう。もちろん田沢の前向きな姿勢は、後輩のENEOSナインに好影響を与えるはずだ。すでに元プロ野球選手は主要大会で活躍している。それでも08年当時から取材してきた記者は、常人が踏み入れなかった田沢の足跡と生き様をドンドン後進に伝えて欲しいと思う。
(特別編集委員 伊藤幸男)

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