【若トラ駆ケル】阪神・高寺 再昇格へ“天才的”打撃センス磨く「広島の西川さんみたいな選手になりたい」

[ 2022年7月12日 07:00 ]

阪神・高寺

 【若トラ駆ケル(阪神2軍リポート)】鳴尾浜で牙を研ぐ選手を取り上げる「若トラ駆ケル」。第3回は2年目の高寺望夢内野手(19)。6月8日にプロ初昇格を果たし、4試合で11打席に立ちながらプロ初安打はなく4日で降格した。再昇格へ向けて、天性の打撃センスに磨きをかける姿に迫った。

 あの悔しい感触が今でも高寺の手に残っていた。初昇格した6月8日。即日でソフトバンク戦に「8番・二塁」で先発抜てきされた。安打を積み重ねた2軍と同じように持ち前の積極性で挑んだ初1軍。東浜に二ゴロと一ゴロに抑えられ、投手が代わった3打席目は四球を選んだ。

 先発した翌9日もライナー性の打球を好捕された不運があって2打数無安打1四球。三たび先発出場した11日のオリックス戦では山本に三振、遊ゴロ、二ゴロの3打席凡退だった。1軍4日間は計8打数無安打。東浜も山本も今季ノーヒットノーランを達成した球界を代表する投手で、2軍では対戦できないレベルを体感した。

 「やっぱり打たされての内野ゴロが多かった。打ち損じをなくせるようにやっている」

 理想像がある。広島・西川だ。同じ左打者で巧みなバットコントロールに加え、変則投手も苦にしない打撃センスが“天才的”と称される。「広島の西川さんみたいな選手になりたい。長打も捨てたくない」。映像なども参考に巧打とパンチ力を兼ね備える打者への成長を思い描いた。

 手応えを感じた一打があった。10日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦。1打席目に外角低め直球を捉え、左翼フェンス直撃の二塁打にした。タマホーム筑後は両翼100メートル。広い球場の逆方向へ長打を飛ばした。1メートル78、76キロはまだ細身。1年目から強く振ることをテーマにしてきた取り組みが結果として表れ始め、「やっとバットが振れるようになってきた」と確かなレベルアップを実感した。

 今月下旬にはフレッシュオールスター、8月1日にはプロ・アマ記念試合で大学・社会人選抜と対戦するU―23NPB選抜にも選出された。「どちらも試合に出られれば、最低でもヒット3本を打ちたい」。あの悔しい4日間から道は続いている。(石崎 祥平)

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2022年7月12日のニュース