西武・スミス ノーノー降板、17日に朗希完全降板のロッテ相手に初登板7回1四球 美人妻と勝利祝った

[ 2022年4月20日 05:30 ]

パ・リーグ   西武4-0ロッテ ( 2022年4月19日    ベルーナD )

<西・ロ>来日初勝利を挙げ、妻のメリッサさんと記念撮影するスミス(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 西武の新外国人右腕バーチ・スミス投手(32)が19日、来日初登板初先発だったロッテ戦で7回1四球のみの無安打投球のまま降板する快投で初勝利。打者21人斬りの“準完全投球”だった。17日の日本ハム戦で完全投球だった佐々木朗希投手(20)が8回で交代していた、そのロッテ打線相手のノーノー交代。ロッテにとっては大記録目前の一戦も含めて、手痛い4連敗となった。

 ベルーナドームのスコアボードは、ロッテの「H」が「0」のままだった。8回。ベンチを出た辻監督が、球審へ交代を告げる。無安打投球を続けていた新外国人右腕・スミスから平良へスイッチ。つい2日前、8回まで完全投球のロッテ・佐々木朗を交代させた井口監督の前で、衝撃の交代劇だった。

 「8回にあの状態だったらいいけど、7回にあの球を見たらしんどいなと。そんな(続投させる)余裕はないです」。そう説明した辻監督は、佐々木朗の交代劇が話題になっている中で判断に迷いはなかったかを問われると「いや、全然。それは全然」と強調した。

 確かにスミスは来日初登板で、7回まで96球。7回は150キロ台の直球が140キロ台前半まで落ちる球もあり、疲労は明らかだった。マイナーを含めて先発は19年以来3年ぶり、昨年もメジャーの全31試合が救援登板で、最長イニングは3回が2度だった。7回を終え辻監督は「ナイスピッチング、疲れたね」と声を掛けグータッチ。想定された交代だった。

 投球は圧巻だった。2奪三振で3者凡退の初回。3番・中村奨を空振り三振に仕留めた高めの直球は155キロを計測した。ナックルカーブも効果的に配し、4回1死まで完全投球。1死から四球で初出塁の2番・福田秀をけん制で刺し、その後も打者10人を連続アウトに斬った。「ノーノーはマイナーで8回までならある。(無安打は)最初から分かってたけど、考えないように一球一球を丁寧に投げることを意識した」。メジャー時代にエンゼルス・大谷と4度対戦し3打数無安打1四球と抑えた力を存分に発揮。試合後はブロンドの美人妻メリッサさんと笑顔でハグした。

 佐々木朗の8回完全投球交代で大注目を浴びたロッテは、痛い4連敗だ。8回に菅野が平良から右翼線二塁打して無安打は阻止したが、井口監督は「(スミスは)もう少し荒れるかと思ったが、非常にまとまっていた」と脱帽。無安打無得点が続いたことには「(打線の)内容が良くないので。もう切り替えるしかないと思う」と絞り出した。

 「朗希の衝撃」が続く中、西武には頼もしく力強い新戦力が加わった。(秋村 誠人)

 ◇バーチ・スミス 1990年4月12日生まれ、米テキサス州出身の32歳。11年ドラフト14巡目でオクラホマ大からパドレスに入団。13年5月11日のレイズ戦でデビューした。メジャー通算成績は102試合で5勝11敗1セーブ、防御率6・03。直球の最速は159キロ。1年契約で年俸6500万円。1メートル93、102キロ。右投げ右打ち。

 ≪5年ぶりパ3試合全て完封≫19日のパ・リーグは3カード全て完封試合。パで1日3カード全て完封試合は17年8月12日の西武3―0ロッテ、楽天7―0オリックス、ソフトバンク1―0日本ハム以来5年ぶりとなった。

 ≪西武史上初の初登板無安打降板≫初登板のスミス(西)が7回無安打無失点の好投で初勝利。7回以上をノーヒットに抑えながら降板したのは、17日の日本ハム戦の佐々木朗(ロ=8回完全)以来。西武では、00年以降先発投手が7回以上を無安打に抑えたのはこの日で13度目となったが、無安打のまま降板したのはこの日のスミスが初めてだ。なお、10日オリックス戦で佐々木朗が完全試合を達成したロッテは8回1死から初安打しノーヒットを免れた。同一シーズンにノーヒットノーランを達成して、達成されていたら85年の日本ハム以来となるところだった。
 
 ▽17日のロッテ・佐々木朗希登板 ロッテ・佐々木朗は前回登板だった10日のオリックス戦で史上16人目の完全試合を達成。この日も、8回を終えてパーフェクト投球だった。だが0―0のスコアで、102球を投げていた右腕に対し、井口監督は「先々のことを考えるとあそこ(8回)で限界」と降板を決断。佐々木朗は「疲れている部分があったし、納得する形で降りました」。試合は延長10回の日本ハム・万波の一発で0―1で敗れた。

続きを表示

この記事のフォト

2022年4月20日のニュース