カブス・誠也 大谷以来の日本選手4番デビュー打!連続試合安打は9に 同学年の二刀流に一歩でも近づく

[ 2022年4月20日 02:30 ]

インターリーグ   カブス4ー2レイズ ( 2022年4月18日    シカゴ )

左中間に安打を放つカブスの鈴木誠也(ロイター)

 カブスの鈴木誠也外野手(27)が18日(日本時間19日)、本拠地でのレイズ戦に初の4番として出場。自身3度目のマルチ安打を含む2安打2得点で勝利に貢献した。日本選手の4番打者は歴代7人目で、4番デビュー戦での安打は18年のエンゼルス・大谷以来3人目だ。連続試合安打を9、連続試合出塁を10にそれぞれ伸ばし、ナ・リーグの週間MVP(11~17日)も受賞。新人年の開幕第2週での受賞も大谷以来となった。

 同学年、同い年の背中を鈴木は必死に追っている。広島で、侍ジャパンで当然のように背負っていた「4番打者」の看板。メジャーの舞台でも大役を任された。「4番だろうが、役割はその時で変わる。必死にやっている結果」。2安打2得点。4番デビュー戦での安打は18年の大谷以来と、ライバルの背中にまた少し、近づいた。

 「同い年で頑張っているし、彼の活躍があるから僕もここでやれている」。大谷とは自身のメジャー移籍前からLINEなどで連絡を取り合う、互いを認め合う間柄だ。そんな親友と今では同じ舞台に立つ。大いなる刺激を受けて日々を戦う。

 4番としての初安打は4回無死からの左前打だ。07年岩村明憲(デビルレイズ)に並ぶ日本野手最長のデビューから9試合連続安打。この安打で果敢に二塁を狙った。ビデオ判定でアウトとなったが「走塁だったり守備の方でしっかりやりたい。打撃はあまり気にしていない」と走守でも高い意識で取り組む。

 打つだけではない。メジャーでは「打率」「パワー」「走塁」「守備力」「送球力」の5つを持ち合わせた選手を「5ツール(tool=道具)プレーヤー」と呼ぶが、鈴木はリーグ3位タイの9四球。開幕から10試合連続出塁で出塁率・564は同2位と、「選球眼」も兼ね備えた「6ツールプレーヤー」として過去の日本選手にない評価を得ている。

 粉雪が舞うシカゴ。体感気温氷点下3度でも集中力は途切れない。2回無死では全力疾走を怠らずに遊撃手の失策を誘発。大リーグ公式サイトによれば一塁までの到達スピードは秒速29・5フィート(時速32・4キロ)。秒速29フィート(同31・8キロ)超ならエリートとされる中で快足も鈴木の武器だ。

 打率はリーグ3位の・429。初の週間MVPにも輝いた。開幕第2週での受賞は18年の大谷以来となる日本選手最速タイ。「僕の場合はたまたま」と笑った鈴木は「たかが1週間。続けなければ意味がない」。継続は力。二刀流で奮闘を続ける大谷の背中を追う男は、その言葉の意味を深く理解している。(笹田 幸嗣通信員)

 【誠也の打撃アラカルト】

 ☆4番デビュー戦安打 4番で初出場した試合で安打を放つのは日本野手3人目。福留(カブス)は08年5月3日のカージナルス戦に「4番・右翼」で出場し、4回の右越え先制二塁打を含む3安打2打点。大谷(エンゼルス)は18年4月22日のジャイアンツ戦に「4番・DH」で出場して6回に右前打を放った。

 ☆球団タイ デビュー9試合連続安打は1943年アンディ・ペフコ以来の球団最長タイ記録。デビューから10試合連続出塁は1901年以降では球団史上4人目のタイ記録となった。

 ☆広島では513試合で4番 広島時代は4番として513試合に出場して通算.316、129本塁打、372打点。打順に関係なく広島で連続試合安打の自身最長は、19年5月11~30日にかけて記録した15試合。

 ▼カブスのデービッド・ロス監督(鈴木は)スピードはもちろん、それ以上に外野の守備が際立っていた。カバリングも走塁も素晴らしい。総合的な野球選手だ。

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