阪神・小野寺 通算36打席目でうれしいプロ1号「1本出てよかった」球団育成ドラフト出身で初の快挙

[ 2021年10月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-5広島 ( 2021年9月30日    甲子園 )

<神・広>4回無死、中越えに同点本塁打を放った小野寺(撮影・成瀬 徹)
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 待ち焦がれていた瞬間だった。阪神・小野寺が昇格即先発に呼応するように通算36打席目で待望のプロ1号を放った。球団の育成ドラフト出身選手では初の快挙にもなった。

 「今年一番抹消を味わっているので。毎回ですけど、今回こそは…と思って試合に挑んだので、1本出てよかったです」

 鈴木誠の一発で勝ち越された直後の4回先頭。カウント3―1から左腕・玉村の140キロシュートを捉えた。快音を響かせ、虎党のざわめきとともに、あっという間にバックスクリーン左へ。一時同点を決める一撃に一塁ベースを回ったところで大きく吠え、かみしめるように一周した。

 「この甲子園で今まで経験したことのない歓声を受けることができて本当にうれしかった」

 今年4月に育成から支配下登録され、当初は「1軍上がったときに自分なんかでいいのかな」とマイナス思考に陥った。勇気を与えてくれたのは、2度目の昇格時にかけられた北川打撃コーチからの言葉だ。「“試しとかじゃなくて、ほんまに戦力として呼んでいるから、自信持っていつも通りプレーしてくれ”って言われて。期待に応えたい気持ちはもっと強くなりました」。1年目も2軍で指導を受けた間柄。今回5度目を数えた昇格で期待に応えた。

 「このままレギュラー奪って、最後まで出続けて何としても1位になることだけを考えてやっていきたい」

 矢野監督にも「素晴らしいホームラン。育成から2軍でしっかり結果を残して上がってきている選手なんで、もっともっと高みを目指してやってもらえたら」と背中を押された。記念球も手元に戻った。「初ヒットはお母さんにあげたので、恩師の大学の監督(大商大・富山陽一監督)にあげようかなと思います」。逆転優勝への起爆剤として新たな一歩を踏み出した。(阪井 日向)

 《育成ドラフト出身で11球団目のアーチ》19年の育成ドラフト1位で入団した小野寺(神)が4回にプロ初本塁打。育成ドラフトで阪神に入団した選手による本塁打は初めて。これで育成ドラフト出身選手の本塁打がないのはDeNAだけとなった。

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2021年10月1日のニュース