阪神が痛すぎる3連敗 相性重視で中5日の西勇が大誤算 下位球団への取りこぼし許されないのに…

[ 2021年10月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-5広島 ( 2021年9月30日    甲子園 )

<神・広>7回、途中降板する西勇(撮影・成瀬 徹)
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 阪神は30日の広島戦に4―5で競り負けて今季3度目の同一カード3連敗に沈み、2連敗した首位・ヤクルトとの1ゲーム差を詰められなかった。好相性も背景に西勇輝投手(30)を中5日にして先発順を入れ替えた矢野燿大監督(52)にとっては大誤算の敗戦だ。セ・リーグ5球団で唯一の黒星先行になった広島を含めて下位3球団に苦戦。逆転優勝へ、これ以上の白星の取りこぼしは許されない。

 痛すぎる。同点の8回に投入した岩崎は1死で迎えた小園に2ボールから3球目の外角速球を右中間席まで運ばれた。7月14日のDeNA戦以来16試合ぶりに浴びた今季6本目の本塁打。痛恨の決勝弾になった。

 「必死にやっている中の、勝負に行っている中の、結果として受け止めな、仕方ない」

 矢野監督は不動のセットアッパーをかばった。15試合ぶりに失点した前回26日の巨人戦から2試合連続失点。6月3日のオリックス戦以来の4敗目が付き、チームにとってもダメージが残った。

 ただ、敗戦までの過程をたどれば、やはり西勇が誤算だ。6回1/3を7安打4失点で降板。「初回からとにかく腕を振っていくと決めていました。その中で坂本が良いリードをしてくれました」と振り返ってもエース格としては物足りない。

 前回24日の巨人戦では今季最短3回5失点でKO。試合後には敵地・東京ドームの監督室で約30分間も矢野監督と2人っきりで話し合い、その場で今回の登板日が決定したもようだ。広島には加入からの今季までの3年間で通算10勝。相性も念頭に新人・伊藤将と順番を入れ替えても実を結ばなかった。

 初回に先制の援護を得ながら鈴木誠に2打席連続被弾。4回1死二塁では甘く入ったチェンジアップをバックスクリーンに運ばれて逆転を許した。2被弾は2試合連続。7回は1死二、三塁に走者を残して降り、2度目のリードを許した。精彩を欠く姿が乗り切れない猛虎の現状を象徴する。

 同一リーグでは広島に唯一の黒星先行を許し、下位3球団からは貯金3。貯金23を稼ぐヤクルトとは対照的だ。8日からの直接対決まで残り2カードも中日とDeNAが相手。もう取りこぼしはできない。矢野監督は懸命に前を向いた。「俺らはチャレンジャー。向かっていく姿勢がより問われる。苦しい中から自分らでチャンスを見いだせるような戦いをしていかないと」。16年ぶり悲願への戦いは残り20試合のところまで来た。(山本 浩之)

 《下位球団に苦闘》阪神は広島に3連敗し、カード成績が10勝11敗と黒星が先行した。阪神は上位2球団から合計7の勝ち越しに対して、下位3球団からはわずか3。首位のヤクルトは上位2球団に合計9も負け越しながら、下位3球団から23の勝ち越しがあり、両軍の順位の差に直結している。

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