斎藤隆氏が語るエンゼルス・大谷の「収穫」 今季を「土台」に来季求められる「150~160イニング」

[ 2021年10月1日 02:30 ]

斎藤隆氏
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 最終戦登板を回避した大谷とエンゼルスの決断は理解できるし、メジャーではごく普通のこと。10勝という数字も大事だが、それ以上に体の方が大事だ。プレーオフの望みが絶たれたチームの最終戦というのは、母国への帰り支度に忙しい選手も多く、雰囲気もいつもと違う。その中で勝つのは難しいし、9勝と10勝で、今季大谷が成し遂げた投手としての評価は変わらない。

 一番大きいのは、フルシーズン二刀流で戦うベースができたこと。今季は中6日中心で、1年間で130イニングという設定をクリアできた。調整法や肉体的な疲労度を確認できたことで、来季、投球回数を増やすならどうすればいいか、中5日に縮めるならどうすればいいか、全ては2021年がベースになる。

 一般的に200イニングが一流投手の目安だが、二刀流の大谷に球団もそこは求めていないはず。6人ローテーションなら、来季は150~160イニングで十分だろう。その上でプレーオフ争いをした時に9月以降、中4日起用や大事な終盤でのリリーフ起用もあるかもしれない。それも今季の土台があるから、次のステップに進める。

 今季は右肘手術からの実質的な復帰シーズンとあって、開幕当初こそ制球が安定しなかったが、球宴以降はスプリットだけでなく、スライダーやカットボールも使い、長いイニングを投げて勝てる投手になった。開幕前は大谷中心の6人ローテーションに否定的な人もいたと思う。しかし、球宴以降に見せた圧倒的な投球は、中5日だろうと中6日だろうと、大谷がスペシャルで必要な戦力であることを証明した。(元パドレス球団アドバイザー)

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