斎藤佑樹引退 時の人から故障、リハビリ…「このままでは終われない」口にしていた1軍復帰への思い

[ 2021年10月1日 11:46 ]

日本ハム・斎藤佑樹
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 日本ハムは1日、斎藤佑樹投手(33)が今季限りで引退すると発表した。

 斎藤は球団を通じ「今シーズン限りでの引退を決断いたしました。ご期待に沿うような成績を残すことができませんでしたが、最後まで応援してくださったファンの方々、本当にありがとうございました。約11年間、北海道日本ハムファイターズで最高の仲間とプレーすることができて幸せでした」とコメントした。

 昨年10月16日のイースタン・リーグ、巨人戦で右肘の違和感を訴え、後日じん帯断裂が判明。「野球をやめなくちゃいけないと思った」と最悪も覚悟した。手術も視野に入れたが、早期復帰を目指し、PRP(自己多血小板血しょう注入)療法を選択。キャンプから連日200球程度の投げ込みを行いながら、段階を踏んできた。

 今年1月には本紙の単独インタビューに応じた。いわゆるトミー・ジョン手術も視野に入れていたが、保存療法を選択。昨年11月に治療をスタートさせたことについて「手術すれば、ある程度は回復するかもしれないけど、トミー・ジョンはリハビリに1年以上も時間がかかる。ここ数年は何も貢献できていないのに、さらに球団を待たせることはできない、と思ったんです。今回の保存療法がうまくいけば、今季中に復帰できる可能性はあります」と語っていた。

 さらに「迷っている時間なんてありません。一日も早く全力で投げられるよう、今は目の前のリハビリから着実にやるしかない。過去に何人かのプロの投手が経験している従来の保存療法ではなく、新しい概念の治療法に挑戦しています。仮に理想的なスケジュールで回復しなくても、自分の治療した経験をケーススタディーとして次の世代の選手に伝えたりすることはできる。だから決して無駄な時間ではないと思います」と復帰への強い意気込みを口にしていた。

 ファンからの手紙などにも励まされたとし、「応援してくれる人が一人でもいるのなら、その人を喜ばせること、そしてチャンスをくれたチームに貢献するのがプロの役割であり、責任。だからこのままでは終われない。右肘を治し、必ず1軍のマウンドに上がります」と強い思いを語っていた。

 ◆斎藤 佑樹(さいとう・ゆうき) 1988年(昭63)6月6日生まれ、群馬県出身の32歳。早実では高3春夏の甲子園出場。夏の決勝は駒大苫小牧との延長15回引き分け再試合の末に優勝。「ハンカチ王子」として一世を風靡(ふうび)する。早大ではリーグ6人目の通算30勝&300奪三振を達成。10年ドラフト1位で入団。11年4月17日のロッテ戦でプロ初登板初勝利。1メートル76、77キロ。右投げ右打ち。

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