阪神・岩田稔「僕の中ではあっという間に時間が過ぎた16年でした」

[ 2021年10月1日 14:00 ]

<阪神岩田稔引退会見>秋山(左)と笑顔で記念撮影に納まる岩田稔
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 今季限りでの現役引退を発表した阪神の岩田稔投手(37)が1日、兵庫県西宮市内で会見を行った。

 「16年間、本当にありがとうございました。16という数字を見ると長いんですけど、僕の中ではあっという間に時間が過ぎた16年でした」

 05年の大学生・社会人ドラフト希望枠で阪神に入団。3年目の08年にプロ初勝利を含む10勝を挙げるなど長年先発ローテを支えてきた。プロ16年間で通算200試合登板、60勝82敗、防御率3・38。09年3月には第2回WBC日本代表として、日本の大会2連覇にも貢献した。

 大阪桐蔭2年冬に1型糖尿病を発症。闘病しながらも現役生活を続けてきた。「病院の先生から、病気でも何でも出来るよ、と言って頂いて。ジャイアンツのビル・ガリクソンという投手の本を読んで、自分もやっていけるわ、という思いにしてもらいました。そして大学に進学して、入団の時にも言ったんですけど、患者の“希望の星”になれるように、頑張ることができたかなと思います」。13年には1型糖尿病の啓発、支援活動を展開する姿勢が評価され、若林忠志賞を受賞した。

 今季は1月に新型コロナウイルス感染。それでも6月中旬から中継ぎに挑戦し、ブルペン定着を目指したが1軍登板は3試合登板にとどまり、「今年の最初にコロナにかかってしまって。思ったよりも体が元気になっているんですけど、気持ちの方が昔ほど燃えてくるようなものがなくなってきて…。自分の気持ちに負けたというか…。そのタイミングで引退の方を決意しました」と現役引退の決意を固めた。

 会見では、最初に引退を伝えた相手を問われ「妻です。そして大切な家族に…」と涙を見せる場面も。「妻は僕が1型糖尿病ということもあって、食事の面であったり、生活の面も一緒に管理してくれたので。本当によくやってくれたと言ってもらいました」と明かした。

 今後については「これからのことはちょっとまだ先分からないんで、ひとまずゆっくりしながら考えていきたいなと思います」と左腕。最後にサプライズで秋山が登場し、花束を渡された。

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