オリックス・T―岡田V弾 一塁踏み忘れ疑惑もセーフにホッ「あだ名をマレーロにするぞって言われて…」

[ 2021年10月1日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス4-3ロッテ ( 2021年9月30日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>9回2死一、三塁、逆転3ランを放ちナインに迎えられるTー岡田(左)(撮影・光山 貴大)
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 オリックスのT―岡田外野手(33)が30日のロッテ戦で2点を追う9回2死一、三塁から起死回生の逆転15号を右翼席へ打ち込み、4連勝を呼んだ。1敗した時点で優勝マジック点灯を許す瀬戸際で迎えた今回の敵地3連戦はすべて逆転で勝利。一時4ゲーム差をつけられた首位のロッテに勝率2厘差まで肉薄し、1996年を最後に遠ざかる悲願のリーグ優勝へ可能性をつないだ。

 あと1死でも諦めていなかった。9回2死一、三塁、打席に向かうT―岡田は狙い澄ましていた。「シンカーは頭にあって浮いてきた球をいきたいと思っていました」。1ボールからの2球目、益田のシンカーを強振。右翼席へ放り込む逆転の決勝15号3ランだ。

 「ああいう場面で、ここ何年も打っていなかったですし、こういう大事な戦いの中で打てたのはうれしいし、自信にしたいですね」

 益田からの本塁打は12年4月12日の初対戦以来、実に9年ぶり2本目。8回には守備固めで左翼に入った後藤の失策が絡んで2点を失い、敗色気配が漂う局面だった。1敗した時点で自力優勝の可能性が消滅する正念場。ともりかけていたロッテの優勝マジックを一振りで吹き消した。

 ロッテから「一塁ベースを踏んでいない」とリクエストがあってもリプレー検証で認められた。

 「今までベースを踏まなかったことはないので踏んだと思います。ベンチで“もし踏んでなかったら、あだ名をマレーロにするぞ”って言われて…。“頼む”って思っていました」

 17年に本塁踏み忘れで本塁打を取り消された助っ人砲と重ねる冗談が飛び交うベンチが、いまのチームの雰囲気を物語る。中嶋監督からも「本当に最高の形ですよね」と賛辞を贈られた。

 負けられない理由がある。18年春に誕生した長男の存在だ。「やっぱり1年でも長くユニホームを着たいですよね。子供には自分がプロという舞台で野球をやっている姿を覚えていてほしい」。周囲から“勝負弱い”とされる向きがあることを知り、不振にあえいだ時期もあった。1分けを挟んで4連勝。首位にゲーム差なしの勝率2厘差に迫る立役者だ。「正尚が帰ってきてくれたので。いい勢いでいきたい」。打線の核は吉田正でも、「チームの顔」はT―岡田と言っていいはずだ。(湯澤 涼)

 ≪踏んでいなければ負けていた…≫1―3の9回2死一、三塁からのT―岡田の逆転3ラン。一塁への触塁に対しロッテ・井口監督がリクエストを行い、判定は覆らなかった。もし、一塁が踏み忘れだった場合は、打者走者が一塁でフォースアウトになる。第3アウトがフォースプレーの場合は、全ての走者の得点は認められず、1―3のまま試合終了となっていた。無死、1死の場合では、打者走者のT―岡田はアウトとなるが、他の走者の得点は認められ、3―3の同点だった。

 《最短M点灯は2日》ロッテがオリックスに敗れたため、マジックの最短点灯日は2日まで延びた。条件はロッテが1、2日の楽天戦に連勝もしくは1勝1分け、その間、オリックスが連敗することでM16が出る。一方、オリックスは1日のソフトバンク戦に勝ち、ロッテが△か●、引き分けでもロッテが●なら9月7日以来となる首位に返り咲く。なお、この場合のオリックスの最短マジック点灯日は6日。

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