自分見失わず経験積み…巨人・秋広 「1軍出場」でさらに膨らんだ次の一歩への期待

[ 2021年10月1日 09:00 ]

<中・巨>9回1死、代打・秋広のプロ入り初打席は左飛に終わった(撮影・森沢裕)
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 今後がさらに楽しみになる。そんな初打席だった。巨人の身長2メートルの高卒ルーキー・秋広優人内野手(19)が9月29日の中日戦の9回に代打でプロ初出場。支配下入団選手では15年岡本和以来の高卒新人野手デビューとなった。

 持ち味の積極性を見せた。1ボールから藤嶋の135キロスプリットをフルスイング。左飛に倒れたが、ファーストストライクをしっかり振った。秋広は「ずっと積極的に振っていくというのは自分の中で続けてきたので、それができたことは良かった」と言った。

 キャンプ途中に1軍に昇格し、オープン戦にも同行。59年王貞治以来62年ぶりの開幕スタメンが期待されたが、7三振を含む14打席連続無安打を記録するなどプロの壁に直面した。だが、その中でも9打席でファーストストライクを振っていたように、入団時から「それが持ち味だと思っている」と自分の姿勢を貫いていた。

 一歩ずつ経験を積んだ。2軍戦はここまで80試合に出場。打率・229ながら8本塁打をマークしている。特に9月は涌井から本塁打を放つなど3本塁打。フォームを変えたことにより、確実性が増した。阿部2軍監督の指導の下、頭の高さで構えていたグリップ位置を腰付近まで下げ、レベルスイングを意識。「追い込まれてからもヒットが増えて、長打も打てるようになった」と長くボールを見られるようになり、9月10日のイースタン・リーグのロッテ戦では逆方向の左翼への一発も飛び出した。

 本紙では4月から「目指せ!ゴジラの道 秋広優人成長記」と題した企画で月1回、秋広に今の自分を語ってもらった。話を聞く中で感じたのは「冷静に自分を分析できている」ということ。オープン戦期間も、高まる一方だった周囲の注目をよそに、「早く1軍に行ければ良いですけど焦りはない。まず慣れて2、3年目くらいには勝ちに貢献できるように」と自分を見失うことはなかった。

 その中で言い続けていた目標の「1軍出場」を果たし「素直にうれしかった」と秋広。優勝争い真っただ中の出場にも怖じ気づかなかった姿が頼もしい。次の一歩に向けた期待が膨らんだ。(記者コラム・小野寺 大)

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2021年10月1日のニュース