斎藤佑樹 引退決意の裏に…最後まで戦い抜いたという思い

[ 2021年10月1日 12:54 ]

今季限りでの引退を発表した斎藤佑樹投手
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 日本ハムは1日、斎藤佑樹投手(33)が今季限りで引退すると発表した。

 引退を決意の理由として「泥だらけになって」やった結果、自身の中でプロ野球選手生活に区切りをつける決心がついたのだろう。。斎藤はプロ10年目の昨年10月に右肘じん帯断裂が判明。右肘痛の影響もあり、プロ入り後初めて1軍登板がなかった。白星は17年から遠ざかっていた。じん帯断裂が判明し「野球を辞めなくちゃいけないと思った」と昨年の時点で現役引退も脳裏をよぎっていた。昨季終了前、栗山監督に手術を受けるかどうかなどを相談。その席で「肘を治し、もう1年グラウンドに出て必死になって泥だらけになってやってみろ」と背中を押されたことを明かしていた。

 右肘じん帯断裂から復帰を目指した11年目の今季は、リハビリ過程にありながら背水の立場。手術を回避して保存療法を選択したのも今年結果を残す必要があったからだ。斎藤も「手術すれば、ある程度は回復するかもしれないけど、トミー・ジョンはリハビリに1年以上も時間がかかる。ここ数年は何も貢献できていないのに、さらに球団を待たせることはできない、と思った」と悲壮な決意を口にしていた。

 今年7月12日イースタン・リーグ、DeNA戦で昨年10月以来269日ぶりに実戦のマウンドに立った。しかし、2軍で11試合に登板し、3勝(1敗)を挙げたが、防御率は5・63。今季9勝を挙げた伊藤ら若手投手の台頭もあり、1軍の戦力として割り込んでいくだけのアピール材料は乏しかった。「時間をもらっている以上は結果を出さないといけないという気持ちもある」と結果を求めて焦りを口にしていただけに、ここが引き際と決断したと考えられる。

 それでも「リハビリ期間も常に前を向いて、コーチ、トレーナーが支えてくれていたので、後ろを向くことは1回もありませんでした。それよりも早くファンの方の前で投げられるようにという思いが強かった」と最後まで大好きな野球と向き合い、「泥だらけになって」もがく姿を見せてきた。ここまで支えてくれた日本ハム、栗山監督、ファンへの感謝の思いを込めてのラストシーズン。当然心残りはあるだろうが、最後まで戦い抜いた思いもあったからこそ現役引退を決意したのだろう。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

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