どうなる雨の甲子園…46年ぶり3日連続順延で休養日あと1日 決勝延期、ダブルヘッダーも

[ 2021年8月15日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権大会

14日の試合中止が決まった甲子園球場(撮影・平嶋 理子) 
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 全国高校野球選手権大会第3日は14日、予定された1回戦4試合が天候不良のため、15日に順延となった。3日続けて順延となるのは1975年の第57回大会以来46年ぶり。計4日間の順延も同大会(計5日間順延)以来になる。準決勝翌日の休養日がなくなり、3日間あった休養日は残り1日。今後も悪天候が予想され、27日予定の決勝をさらに延ばす案や、休養日が完全になくなる可能性も出てきた。

 午前6時。甲子園に降り続ける雨の影響で、46年ぶりとなる3日連続の雨天順延が決まった。前日の中止で3回戦翌日に設けられていた「休養日A」が消滅。そして、この日は準決勝翌日の「休養日C」がなくなることが決まった。3日間の予定だった休養日は、ついに準々決勝翌日の「休養日B」の1日だけになってしまった。

 当初25日に予定されていた決勝は9、12日の雨天中止の影響で27日に延びていた。阪神の公式戦が31日から組まれているため、甲子園大会は30日までに終える必要がある。だが、グラウンドや球場をプロ仕様にする準備期間に数日間を充てることが通例のため、日程をずらすことが難しい事情がある。15日以降も雨予報となっているため、仮にもう1日、雨天中止となった際には決勝を28日まで延ばすプランも浮上している。さらに中止が増えれば休養日なしの強行日程で消化する可能性も出てくる。

 どこまで日程を延ばせるかが不透明な状況。高校野球特別規則には、天候などによる順延でやむを得ない場合は、準決勝、決勝の変則ダブルヘッダーの開催ができる規則もある。これ以上、雨天中止が続けば、議論されることになりそうだ。

 この日の雨天中止で第9日に2回戦を戦う高校は、決勝まで1週間で5試合をこなす日程になった。「1週間500球」の球数制限も適用されるだけに、複数投手の起用で勝ち上がることが求められる。第5日の1回戦に勝てば、第9日に2回戦を戦う近江(滋賀)のエース右腕・岩佐直哉(3年)は「次のことは考えず、初戦を全力で行きたい。山田(陽翔=2年)と2人では厳しい。投手は5人入っている。左投手3人がいるので力も借りて勝ち上がっていきたい」と投手陣一丸となって臨む構えを示した。

 6日間で4度目の雨天中止。昨年はコロナ禍で中止となり、2年ぶりに開催された甲子園大会は、天気との闘いが続いている。(川島 毅洋)

 《昨秋東北大会で球数制限適用》1週間で500球の球数制限が適用された例は昨秋の東北大会に出場し、7日間で5試合に登板した柴田(宮城)のエース・谷木(やぎ)亮太(当時2年)。1回戦から準決勝までの4試合全てに先発し、5日間で481球を投げていた。準決勝から2日後の決勝は救援で19球を投じ、500球に達して降板した。

 《75年第57回大会VTR》台風5、6号の影響で雨天順延が史上最多の5度。8月8日に開幕し、16~18日が雨天中止。決勝は22、23日が中止となった。24日に行われた決勝ではエース小川淳司(現ヤクルトGM)を擁する習志野(千葉)が新居浜商(愛媛)に5―4のサヨナラ勝ちを収め、8年ぶり2度目の優勝を飾った。なお、23、24日に甲子園で予定されていた阪神―ヤクルト戦は中止となった。

 《女子決勝25日予定も》準々決勝翌日の休養日となる25日には、甲子園で第25回全国高校女子硬式野球選手権大会の決勝戦、神戸弘陵―高知中央が予定されている。両校は翌26日から愛知県内で開催されるユース大会に出場するため、移動日と重なる。これ以上、日程が変更となれば、前倒しして男子の試合がある日に決勝戦を組み込む必要が出てくる。

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