阪神・二保　移籍後初勝利　2被弾も5回1/3を3失点　高校時代の恩師にささげる特別な1勝

セ・リーグ   阪神9ー3広島 （ 2021年8月14日    京セラD ）

＜神・広＞移籍後初勝利を挙げ、バッテリーを組んだ阪神・梅野（右）を笑顔で迎える二保（撮影・椎名　航）
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　15年のソフトバンク時代にプロ初勝利をあげた京セラドームで、二保がまたも区切りの勝ち星を手にした。5回1/3を3失点で移籍後初勝利。阪神では初となるお立ち台で改めて自己紹介した右腕は喜びを口にした。

　「初めまして、二保旭です。チームが勝つことができて、ほんと素直にうれしいです」

　何とか粘った。初回に2四球で2死一、二塁を招くと坂倉に左前適時打を許して先制点を献上。3者凡退は4回の一度だけだったが、味方の援護にも助けられ要所を抑えた。6回1死から坂倉、林に2者連続本塁打されたところで降板を告げられると、悔しそうな表情でマウンドを後にしたが、移籍後2度目の先発で最低限の役割を果たした。

　7月27日に九州国際大付時代の監督だった若生正広氏が70歳でこの世を去った。長身ながら体が細かったこともあり、若生氏が東北監督時代に指導したダルビッシュ（現パドレス）と同じ練習を地道に実践し3年春にはドラフト候補にまでなった。心身ともに鍛えられ、その後の道筋を示してくれた恩師にささげる白星でもあった。

　「自分の中で助けてくれた部分はあったように思う。ここで1勝できて少しは恩返しができたのかな」

　矢野監督も「少し危ないところもあったけどよく粘ってくれた。次回、もっといい内容で投球をしてくれると思う」と次回の先発も明言。試合後、取材対応する右腕を見つけ「二保が来てくれて良かったよ！サンキュ」と笑顔で声を掛けた。

　「どんどん結果を出して、来てくれて良かったと言ってもらえるように」。16年ぶりのV奪回へ、本当の意味で大きなピースが加わった。（須田　麻祐子）

　《途中加入で白星は20年ぶり》7月にトレードで加入した二保（神）が移籍後初勝利。シーズン中に阪神へトレード移籍した投手が先発勝利を挙げるのは、01年5月に西武から移籍して7勝（先発6勝）を挙げた谷中真二以来20年ぶり。